今回は2018年末に発売されたばかりの長岡裕也五段著「神速!角換わり▲2五歩型 必勝ガイド」を紹介したい。
長岡裕也五段といえば羽生九段の研究パートナーとしても有名で、著書も多数ある序盤研究家だ。
「神速!角換わり▲2五歩型 必勝ガイド」は、角換わり2五歩型で、4五桂からの攻め筋を多数紹介している。
1章は急戦、2章は腰掛け銀が中心。右玉について解説されているわけではないが、右玉党としては、1章の急戦をマスターしつつ、2章の変化の代わりに右玉を採用するという作戦も考えられるので、右玉党にも役立つはずだ。
というわけで、簡単に内容を紹介したい。
4五桂からの攻め筋を網羅
角換わり2五歩型の基本形(23ページ)。ここから相手の指し手によっては4五桂と跳ねて攻め潰していく。
例えば、7四歩と相手が早繰り銀を目指してきたら、いきなり4五桂跳ねが成立する。
この局面からの攻め筋は本書を参考にしてほしい。
しっかりと受けてきたら右玉へするのもあり?
5二金と受けた場合はいきなりの4五桂は成立しない(2章124ページ)。本書では、いったん6二玉としてから攻める手順や腰掛け銀にする作戦を紹介しているが、右玉党なら4七銀から右玉に移行するのも手だろう。(本書で右玉については触れられていないが……)
横歩取りを避けることはできない
6手目に後手が3四歩を角道を開けると横歩取りになることは避けられない。
7八金に8八角成なら角換わりだが、8六歩、同歩、同飛とすれば横歩取り模様だ。
この局面を絶対に避けたいという人は、本書の作戦自体がおすすめできない。
というわけで、プロはもちろん、アマチュア間でも流行している4五桂の最先端を紹介した一冊となっている。4五桂の攻めが決まれば爽快だし、逆に4五桂の攻めを受けて負けると非常に悔しい。仮に、4五桂を指さないとしても、相手の狙いを知りたいという人にもオススメだ。
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