ニコニコ生放送の年末将棋企画といえば、2017年は糸谷八段扮するDJダニーだったが、2018年も糸谷八段が登場!
糸谷八段と永瀬七段が九番勝負をするという熱い企画。場合によっては越年もありえる大型生放送だ。
公式ホームページは以下。
大晦日九番勝負
ルールは以下画像の通り。
チェスクロックによる45分切れ負けというのがユニーク。
そして少々ネタバレだが、9戦目までもつれる大接戦に。
その中で糸谷八段は第6局と最終局で右玉を採用してくれた。
第6局の棋譜はこちら
https://migigyoku.com/kifu/kf.php?kifu=20190107-1.kif
第6局開始時点のタイムシフトはこちら
http://live2.nicovideo.jp/watch/lv317129709#10:10:03
最終局の棋譜はこちら
https://migigyoku.com/kifu/kf.php?kifu=20190107-2.kif
最終局開始時点のタイムシフトはこちら
http://live2.nicovideo.jp/watch/lv317129709#15:01:30
※タイムシフトを見るためには、ニコニコ動画のプレミアムアカウントが必要です。
というわけで、右玉の2局を簡単に見ていきたい。
第6局は一手損角換わりから右玉へ
恐ろしいスピードで手が進み、あっという間に一手損角換わりから早繰り銀 vs 右玉の戦いに。
先手はしっかり堅めたあとに3五歩から仕掛け。
この瞬間に4五歩と突くのが手筋。
同銀、3五歩として相手の銀の進撃を止める。
右玉は4筋に飛車を転換。対する先手は8八に入場した局面。
ここで解説の渡辺棋王が指摘してた手が、3六歩。
同銀は4六飛と走れるので後手がよい。
どこかの局面で5九角打もありそう。
ただ、3四歩と指されると先手が良いようだ。
先手が堅さを生かして優勢に
右玉が4八角打で馬を作りに行ったところ。ここで次の一手が好手だった。
2三歩打!
同銀で飛車を弾かれそうだが、ここで堅さを生かした飛車切り。
2三飛成!
同金に3二角打と進む。
この局面は評価値的にも先手有利。以降は的確に攻めた永瀬七段の勝利となった。
寄せも鮮やかなので、時間があれば棋譜も参照してほしい。
4勝4敗で迎えた最終局も右玉に
最終戦は糸谷八段が先手。6局目と似た形だが、手損のない角換わりから右玉となった。
本局も早繰り銀からの仕掛け。
本局は飛車切りは自重
先手が8七銀とした局面。第6局では飛車切りで切り込んだが、本局は玉形が違う。
永瀬七段はノータイムで飛車引き。
8二飛と引いた手に、7六銀、8二歩、7七桂成、8九歩成。
この局面は互角。
飛車を見捨てる手を軽視して形成は後手に
8三歩と叩いてから7四角打。この手が痛恨の悪手だった。
飛車を見捨てて8八と、と引いた手があり先手が一気に優勢に。
単に8三歩打のところで、8四歩打ならまだ互角だった。
8三角成で飛車は取れたが、7八と、8九飛、7七とと、金と桂を取られた上に銀当たり。駒損がひどく、右玉は不利に。
以下、粘ったものの優勢な局面はなく右玉の負けとなった。
負けはしたけど構想は面白い
というわけで、残念ながら右玉採用局は2局とも負けになってしまったが、構想自体は悪いわけではなく、面白い。
一手損角換わりだと堅陣にされてから攻めてくるので厳しいが、それ以外ならアリだろう。
というわけで、右玉NOWは糸谷八段を今後も応援します!