2019年1月21日に開催された王将戦予選で、佐藤和俊六段が四間飛車から右玉へ組み替えるユニークな作戦を採用してくれた。
佐藤和俊六段は振り飛車党で、四間飛車・三間飛車を得意とするベテラン棋士。
NHK杯準優勝(決勝佐藤対決)の実績があり、2018年秋には8連勝を記録したことも。
一方の藤森五段は母親が藤森奈津子女流四段。ネット対局での解説も人気だ。
というわけで、棋譜は以下からどうぞ。
2019-01-21 王将戦藤森哲也 五段 vs. 佐藤和俊 六段 第69期大阪王将杯王将戦一次予選
出だしは四間飛車
振り飛車党の佐藤六段は四間飛車へ。
6三銀は振り飛車としてはやや珍しい手。木村美濃への移行も考えられるが……。
気がつけば右玉へ。アマチュア同士の対局だとたまに見かけるが、プロだと珍しいかもしれない。この時点の評価値はほぼ互角。
右玉、6五歩位取り
右玉は6五歩。
6筋の位を取る作戦はよく出てくる。
6四銀と進出。右玉党には指しにくい手だが、この時点での評価は右玉よりの互角。
というわけで、この局面は右玉にとってありだろう。
飛車を中央に展開。将棋中継アプリでは危険な手とされているが、この時点では互角。
先手が4五歩からの仕掛け。
先手は2四歩、同歩、3五歩と歩の突き捨てを開始。
後手は7七馬としたが、同歩のほうがよかったか。ここから評価は先手よりに。
以降はチャンスらしいチャンスはなかったかもしれない。
四間飛車からの転向組ならこの作戦はありかも
というわけで、本局では不発に終わってしまったが、四間飛車からの右玉組み換えは十分にありえる作戦だ。本局でも右玉よりの評価値が出ることもあり、プロ棋戦で今後登場してもおかしくはないだろう。
四間飛車党からの右玉転向組としては、作戦の1つとして入れてもよいかもしれない。
というわけで、右玉NOWは佐藤六段を応援しています!