糸谷流右玉 vs 三間飛車で、振り飛車側が浮き飛車に構えた場合、大きなスキが生まれることがある。
糸谷流右玉を指すならば見逃してはならない。具体的には次の局面だ。
問題図 次の一手は?
後手の持駒:なし 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v玉v桂v金 ・v角 ・ ・ ・v香|一 |v香v銀 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|二 |v歩v歩v歩v金v歩 ・v桂v歩 ・|三 | ・ ・ ・v歩v銀v歩v飛 ・v歩|四 | ・ 歩 歩 ・ ・ 歩 ・ 歩 ・|五 | 歩 ・ ・ 歩 銀 ・ 歩 ・ 歩|六 | 角 ・ 桂 ・ 歩 銀 桂 金 ・|七 | ・ ・ ・ 金 ・ 玉 ・ ・ ・|八 | 香 飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:歩 手数=56 △4四歩 まで
三間飛車側が4四歩と突いた局面。しかし、この手は危険だった。
8四歩は入るのでこの手も正解だが、別の手を考えてみてほしい。
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次の一手、正解手
後手の持駒:なし 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v玉v桂v金 ・v角 ・ ・ ・v香|一 |v香v銀 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|二 |v歩v歩v歩v金v歩 ・v桂v歩 ・|三 | ・ ・ ・v歩v銀v歩v飛 ・v歩|四 | ・ 歩 歩 ・ ・ 歩 歩 歩 ・|五 | 歩 ・ ・ 歩 銀 ・ ・ ・ 歩|六 | 角 ・ 桂 ・ 歩 銀 桂 金 ・|七 | ・ ・ ・ 金 ・ 玉 ・ ・ ・|八 | 香 飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:歩 後手番 手数=57 ▲3五歩 まで
正解は狭い飛車を狙う3五歩。
同飛と取るしかないが……。
後手の持駒:歩 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v玉v桂v金 ・v角 ・ ・ ・v香|一 |v香v銀 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|二 |v歩v歩v歩v金v歩 ・v桂v歩 ・|三 | ・ ・ ・v歩v銀v歩 ・ ・v歩|四 | ・ 歩 歩 ・ ・ 歩v飛 歩 ・|五 | 歩 ・ ・ 歩 銀 ・ ・ 金 歩|六 | 角 ・ 桂 ・ 歩 銀 桂 ・ ・|七 | ・ ・ ・ 金 ・ 玉 ・ ・ ・|八 | 香 飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:歩 後手番 手数=59 ▲2六金 まで
2六金が継続手。3六金や3六銀は飛車を切られてやや危険。
振り飛車側は、飛車を引くと3五歩打と手持ちの一歩を活かせるので、3七飛成と飛車を着るか、3六歩打しかない。
というわけで、飛車桂交換となるので、先手が優勢だ。
というわけで、この手筋は覚えておきたい。
なお、歩が手持ちにないと成立しないことは注意しよう。