2019年4月21日に行われた女流王座戦のアマ予選で、和田はなアマが右玉を採用して勝利したので紹介したい。
和田はなアマは、和田あき女流初段の妹さんで現在関東研修会C1クラスに所属。2018年の第23回全米将棋大会で優勝という快挙を成し遂げている。現在16歳(のはず)。
棋譜は以下からどうぞ。
2019年4月21日 第9期リコー杯女流王座戦アマ予選(西日本)和田はなアマ 対 山田美晴アマ
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https://migigyoku.com/kifu/kf.php?kifu=20190421.kif
将棋は、先手の和田あきアマが右玉を採用して作戦勝ちに。
中盤は逆転模様だったが、再逆転して和田あきアマの勝利となった。
先手、角換わり右玉へ
角換わりから先手の和田アマが右玉へ。後手は右四間の形。
後手は7三に角を設置し、玉は5ニに移動して飛車を4筋へ。
対する右玉は左銀を中央に寄せて、左桂を跳ねて攻めに備える。
ソフトの評価値はすでに先手+1000を超える優勢で右玉作戦勝ち。やはり後手の玉の位置が悪すぎるだろう。
しかし、右玉もどこから手を付けていけば難しいところ。
和田アマは5五歩!
これはソフトの読み筋にもある好手。
同銀なら6五桂、同角なら5六銀が狙いの手。
山田アマは同銀と応じたので、6五桂跳ね。
後手は8四角としたが、これは悪手。次の6五銀の対応が難しい。同銀なら6三飛成が決まる。
先手、寄せを逃す
というわけで、同角だが、同歩、同銀で上図に。
ここが決めどきだったが、残念ながら先手は逃す。ソフトの第一候補手を読んでみてほしい。
ズバっと飛車を切る5五飛!がソフトの最善手。この手は読みやすかったかも知れないが、優勢なだけに指しにくいか。
同銀に、5四歩打が非常に受けにくい。
飛車打ちに弱い右玉とはいえ、これは先手勝勢といえるだろう。
本譜は6七金という大人の一手だったが、決め手を逃してしまったとも言えるだろう。
以降は、後手に流れが傾きつつあったが、再び先手が優勢になって右玉の勝利となった。やや後手の構想がよくなかったとはいえ、中盤の右玉の指し方は参考になるはずだ。
というわけで、右玉NOWは今後も和田はなアマを応援します!