ネット上の伝説の棋士dcsyhi(デクシ)。
あまりも有名なので詳細は他のサイトを見てもらうとして、簡単に説明すると2002年~2004年ごろにネット将棋の将棋倶楽部24に出現し、あまりの強さから伝説となった謎の棋士のことである。
右玉NOWとして気になるのはdcsyhiの正体よりも「dcsyhiは右玉を指していたのか?」ということ。
答えはイエス。オールラウンダーのdcsyhiは右玉も指しているのだ!
というわけで、今回はdcsyhiの右玉を紹介したい。
先手角換わり右玉から積極的に攻める指筋は、現代でも十分に参考になるだろう。
棋譜は以下からどうぞ
https://migigyoku.com/kifu/kf.php?kifu=20190601.kif
※デクシ伝説の棋譜様から棋譜データを起こしてあります
先手のdcsyhi、右玉に構える
中飛車もありそうなちょっと変則的な出だしから、先手のdcsyhiは右玉に。
対する後手は6三金・4三銀型。対右玉でもよくある形。
この局面は端の突き越しもあり、右玉がすでに一本取っている。ソフト評価値も+500以上だ。
右玉、積極的に仕掛ける
先手から▲7五歩、△6五歩、▲5七銀、△7五歩としてから、▲4五歩と仕掛ける。
△同歩に、▲同桂!
この桂馬が生きれば右玉有利、無条件で外されたら後手有利という局面となった。
後手は△4四銀とすれば穏やかだが、強く△4二銀と引く。
ここで右玉に手があるかどうかだ。
▲4一角打!
この角が成立するようだ。
後手は6三の金を受ける必要がある。
後手は△5二銀。自然なようで悪手。
△6二飛などで粘るべきだった。
先手は▲5二角成と銀のほうを取る。ここは3二の金を取ったほうが良かったかもしれない。
ソフトの読み筋はこちら
先手の狙いは▲7四歩打。△同金は▲6三銀打がある。
ここで序盤の▲7五歩の突き捨てが生きてきた。
本譜は△5四金、▲6三銀打、△9二飛、▲5四銀成、△同歩、▲7三歩成、△4四歩(上図)と進行。
ついに桂取りが入った。
dcsyhi、やや緩手も攻め切って勝利!
先手は、桂取りを無視して▲1六桂と設置。矢倉崩しの手筋だ。
ただ、ソフトの評価やや緩手で、互角に戻ってしまった。
後手は△4五歩と桂馬を取ることができたが、先手は▲2四歩!
後手は△同歩とはせず、△3一桂打! これは受けの好手で、互角を維持できる。
先手は▲6三と、と寄せる。後手はここで△1四歩すればまだ互角だったようだ。
後手の選択は△4四角打。以後、▲6四と、△4三銀、▲7七桂、△2四歩、▲6五桂(上図)と進行し、ここで後手投了。
正直、後手の投了がはやい気もするが、受けきれないと感じたのだろうか?
というわけで、寄せでやや緩手はあったものの、dcsyhiが右玉で勝利した一局でした。
dcsyhiの正体は未だわかりませんが、右玉NOWは今後もdcsyhiを応援します!