今回は、将棋系YouTuberのかなきちさんの右玉動画が凄まじかったので紹介させていただきたい。
対局者は、先手がかなきちさん。将棋ウォーズ八段という超強豪だ。
後手は将棋ウォーズ九段で42連勝という猛者。棋神の有無はわからないが、将棋ウォーズユーザーの頂点に近いことは間違いないだろう。
ともあれ、八段 vs 九段という異次元レベルの対局である。
対局内容は以下の動画を観てほしい。
かなきち将棋道場 164手目 42連勝中九段と対決 衝撃的な右玉の組み方
棋譜は以下から
2019-08-01 八段穴熊 – 九段右玉
右玉党ならば、自分も試してみたいと思うはずだ。
4枚の金銀を連結する鉄壁の右玉
先手穴熊に対して、後手の作戦は右玉。
だが、見てわかるとおり、普通の右玉ではない。2筋、3筋を放棄して金銀4枚で玉を固めている。
それにしても▲2四歩は大丈夫なのだろうか?
2四歩への対策
▲2四歩としてきた場合はどうするべきか?
2四歩、同歩に同飛は1三角打
△同歩に▲同飛としてきた場合。
この手には△1三角打の切り返しがある。
▲3四飛、△4六角、▲3三飛成、△3七角成は角得の上に後手陣は鉄壁。これは後手勝勢。
先手の最善手は▲2三歩打だが、それでも後手優勢だ。
▲2四歩、△同歩に▲同角は△2一飛
▲2四歩に△同歩、▲同角なら△2一飛と回る。
▲2三角成は飛車を素抜ける。
先手の最善手は▲3五歩。
これは△4六角打で後手有利だ。
▲2五歩打には、△5九角打がよさそう。
以下、▲4三角成には△3七角成が飛車にあたって後手有利。
最善手は▲4六角だが、△3五歩で有利を維持できそうだ。
後手からの驚きの仕掛け
後手からの仕掛けも素晴らしい。
飛車を4筋に移さず、△4四歩。
4筋の歩交換と思いきや……。
▲同歩、△同銀、▲4五歩打に、△4五桂!
なんと、この桂跳ねが成立している。
▲同桂に△5五歩がある。
以下、▲4七銀、△4五銀と進行し、後手有利に。
最終盤は鋭い寄せがあるが、それは動画か棋譜を参考にしてほしい。
というわけで、金銀4枚の右玉の紹介でした。
この囲いが成立する条件(相手がすでに角を手放しているなど)を精査したわけではないが、右玉党にとっては夢のある作戦であることは間違いないだろう。
かなきちさんには素晴らしい動画をアップしてくれたことを感謝したい。
追記・かなきちさんが右玉を持った動画が追加されました
かなきちさんが右玉を持った動画もアップされていました。こちら併せてどうぞ。
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