2019年8月6日に行われた順位戦C級1組の対局で、後手の島朗九段が右玉を採用してくれたので紹介したい。
島九段といえば初代竜王であり、羽生九段や佐藤会長、森内九段も参加していた研究会「島研」でも有名。また、伝説の序盤研究書「角換わり腰掛け銀研究」は伝説になっている。
対するには小林裕士七段。巨漢であることから愛称は「デカコバ」。
本局は相掛かりの序盤から後手が右玉に変化し、千日手となった。
棋譜は以下からどうぞ。
2019-08-06 順位戦C級1組 小林裕士七段 vs 島朗九段
相掛かりから後手は右玉へ
序盤は相掛かり。相掛かりから右玉に変化することはマレだがある。
後手が仕掛けるとしたらこの局面だったようだ。
変化図1
6五歩が成立するらしい。仮に同歩とした場合は、同角成、4四角打で後手やや有利。
以下、7七銀、8五桂と攻めていける。
先手の候補手は6七銀や4八金など。歩は取り切れない。
これなら後手もやる気が出るだろう。
本譜は右玉も視野に入れた6三銀。
後手、右玉へ組み替えて千日手へ
後手は右玉へ。ソフトの候補手を見ても仕掛けはなさそう。というわけで、先手は5八玉。
先手は6一玉として手待ち。ソフト評価値は「-1」。これは千日手という読み。
本譜もこの局面から動かせず千日手となった。後手としては満足行く結果だろう。
先後入れ替えとなった指し直し局は角換わりとなって、堅い守りから攻め切った先手の島九段の勝利。千日手とした勝ちがあったということだろう。
というわけで、右玉NOWは島朗九段を応援します!