右玉の強敵となるのが、香車と飛車の連携によって端を狙う雀刺し。
気が付いたら収拾不能になっていることが多々あるので、常に意識してケアする必要がある。
テーマ図は以下の通りだ。
右玉に対する雀刺しの意思表示
飛車の横効きを通し、雀刺しを狙ってきた局面。9八香、9九飛を狙っている。
飛車で対抗は桂跳ねが好手で右玉不利
ここで、7二玉など悠長に構えた場合はどうなるか。
七二玉に対して、矢倉側は9八香、対抗して9二香、9九飛、9一飛。
これで9筋は受かったように見えるが、敵は甘くない。
8五桂と跳ねるのが好手。
同桂と一瞬桂馬を得するが、8六歩から取り返され、歩切れの右玉側が不利となる。この局面は避けたい。
銀を引いて端攻めの受けにする手筋
7二銀と引き、端攻めに備えるのが雀刺しへの対策。「とっておきの右玉」でも似た局面が触れられている。
7二銀に対して端攻めを強行してきた場合は、以下のようになる。
9二香、8三銀、9九飛、8四銀。以上で受かる。
以降は、6三金などで上部を補強しておきたい。
9筋を捨てて、玉の大移動もあり
一方、端攻めを察知したら、早めに玉を移動させるのも手だ。やばくなったら、右玉を捨てるという右玉ならではの感覚が必要になる。
5一玉と、玉の早逃げ。右玉をあきらめる一手。
図は、5一玉に対して、9八香、4二玉、9九玉と構わず端攻めを敢行してきた局面。
9筋が崩壊寸前で怖いが、ソフト的な評価値はまったくの互角。
以降、ソフトの最善手を紹介すると、8六歩、同歩、同飛、8七銀、8一飛、8六歩、8三飛。
8筋の歩を交換して、相手に歩を打たせてから8三飛と浮き、9筋に備える。人間的に指しにくいが、これで互角のようだ。このような手順もあることは覚えておきたい。