右玉の強敵となるのが、香車と飛車の連携によって端を狙う雀刺し。
気が付いたら収拾不能になっていることが多々あるので、常に意識してケアする必要がある。
テーマ図は以下の通りだ。
右玉に対する雀刺しの意思表示
後手の持駒:角 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・v香|一 | ・ ・ ・v玉v金 ・v金 ・ ・|二 | ・ ・v桂v銀 ・v銀v桂v歩 ・|三 |v歩 ・v歩v歩v歩v歩v歩 ・v歩|四 | ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五 | 歩 ・ 歩 歩 歩 歩 歩 ・ 歩|六 | ・ 歩 桂 金 ・ 銀 桂 ・ ・|七 | ・ 銀 玉 ・ 金 ・ ・ ・ ・|八 | 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:角 手数=45 ▲7七桂 まで
飛車の横効きを通し、雀刺しを狙ってきた局面。9八香、9九飛を狙っている。
飛車で対抗は桂跳ねが好手で右玉不利
ここで、7二玉など悠長に構えた場合はどうなるか。
七二玉に対して、矢倉側は9八香、対抗して9二香、9九飛、9一飛。
後手の持駒:角 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v香|一 |v香 ・v玉 ・v金 ・v金 ・ ・|二 | ・ ・v桂v銀 ・v銀v桂v歩 ・|三 |v歩 ・v歩v歩v歩v歩v歩 ・v歩|四 | ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五 | 歩 ・ 歩 歩 歩 歩 歩 ・ 歩|六 | ・ 歩 桂 金 ・ 銀 桂 ・ ・|七 | 香 銀 玉 ・ 金 ・ ・ ・ ・|八 | 飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:角 歩 手数=50 ▲9一飛 まで
これで9筋は受かったように見えるが、敵は甘くない。
8五桂と跳ねるのが好手。
後手の持駒:角 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v香|一 |v香 ・v玉 ・v金 ・v金 ・ ・|二 | ・ ・v桂v銀 ・v銀v桂v歩 ・|三 |v歩 ・v歩v歩v歩v歩v歩 ・v歩|四 | ・ 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五 | 歩 ・ 歩 歩 歩 歩 歩 ・ 歩|六 | ・ 歩 ・ 金 ・ 銀 桂 ・ ・|七 | 香 銀 玉 ・ 金 ・ ・ ・ ・|八 | 飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:角 歩二 後手番 手数=51 ▲8五桂 まで
同桂と一瞬桂馬を得するが、8六歩から取り返され、歩切れの右玉側が不利となる。この局面は避けたい。
銀を引いて端攻めの受けにする手筋
後手の持駒:角 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・v香|一 | ・ ・v銀v玉v金 ・v金 ・ ・|二 | ・ ・v桂 ・ ・v銀v桂v歩 ・|三 |v歩 ・v歩v歩v歩v歩v歩 ・v歩|四 | ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五 | 歩 ・ 歩 歩 歩 歩 歩 ・ 歩|六 | ・ 歩 桂 金 ・ 銀 桂 ・ ・|七 | ・ 銀 玉 ・ 金 ・ ・ ・ ・|八 | 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:角 歩 手数=49 △7二銀 まで
7二銀と引き、端攻めに備えるのが雀刺しへの対策。「とっておきの右玉」でも似た局面が触れられている。
7二銀に対して端攻めを強行してきた場合は、以下のようになる。
9二香、8三銀、9九飛、8四銀。以上で受かる。
以降は、6三金などで上部を補強しておきたい。
9筋を捨てて、玉の大移動もあり
一方、端攻めを察知したら、早めに玉を移動させるのも手だ。やばくなったら、右玉を捨てるという右玉ならではの感覚が必要になる。
後手の持駒:角 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v飛 ・ ・v玉 ・ ・ ・v香|一 | ・ ・ ・ ・v金 ・v金 ・ ・|二 | ・ ・v桂v銀 ・v銀v桂v歩 ・|三 |v歩 ・v歩v歩v歩v歩v歩 ・v歩|四 | ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五 | 歩 ・ 歩 歩 歩 歩 歩 ・ 歩|六 | ・ 歩 桂 金 ・ 銀 桂 ・ ・|七 | ・ 銀 玉 ・ 金 ・ ・ ・ ・|八 | 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:角 歩 手数=49 △5一玉 まで
5一玉と、玉の早逃げ。右玉をあきらめる一手。
後手の持駒:角 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・v香|一 | ・ ・ ・ ・v金v玉v金 ・ ・|二 | ・ ・v桂v銀 ・v銀v桂v歩 ・|三 |v歩 ・v歩v歩v歩v歩v歩 ・v歩|四 | ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五 | 歩 ・ 歩 歩 歩 歩 歩 ・ 歩|六 | ・ 歩 桂 金 ・ 銀 桂 ・ ・|七 | 香 銀 玉 ・ 金 ・ ・ ・ ・|八 | 飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:角 歩 後手番 手数=52 ▲9九飛 まで
図は、5一玉に対して、9八香、4二玉、9九玉と構わず端攻めを敢行してきた局面。
9筋が崩壊寸前で怖いが、ソフト的な評価値はまったくの互角。
以降、ソフトの最善手を紹介すると、8六歩、同歩、同飛、8七銀、8一飛、8六歩、8三飛。
後手の持駒:角 歩 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v香|一 | ・ ・ ・ ・v金v玉v金 ・ ・|二 | ・v飛v桂v銀 ・v銀v桂v歩 ・|三 |v歩 ・v歩v歩v歩v歩v歩 ・v歩|四 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五 | 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 ・ 歩|六 | ・ 銀 桂 金 ・ 銀 桂 ・ ・|七 | 香 ・ 玉 ・ 金 ・ ・ ・ ・|八 | 飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:角 歩 手数=56 ▲8三飛 まで
8筋の歩を交換して、相手に歩を打たせてから8三飛と浮き、9筋に備える。人間的に指しにくいが、これで互角のようだ。このような手順もあることは覚えておきたい。