羽生九段が連載しておなじみの7二金型右玉だが、将棋ソフトは以前から採用することがあった。
そこで、今回はソフトが指した7二金型右玉のうち、対早繰り銀でかつ、速攻で銀交換をしてきたケースの対局を3局紹介したい。今回はその1局目。
なお、羽生九段の7二金型と違い、一手損角換わりではなくすべて通常の角換わりである。後手番であることは一緒だ。
棋譜は以下からどうぞ
2018-03-26 stealth_momo(2433) vs JKishi18gou(3216)
先手、居玉からの仕掛け
お互いに居玉のまま、先手は▲2四歩!
△同歩、▲同銀、△同銀、△同飛と一本道に進む。
後手はまだ地下鉄飛車にできていないので、ここは素直に△2三歩打。▲2八飛に、△8一飛と地下鉄飛車を作る。しかし、以前後手は居玉だ。
先手の狙い4五角打への対応
▲4五角打!
早繰り銀、狙いの一手。▲2三角成と▲6三角成の両狙いは受からない。
ソフト評価値は後手よりの互角だが、正しく受けないとすぐに先手持ちになってしまうので注意だ。
△6二玉!
右玉を完成させることが先決。
先手は当然、▲2三角成、△同金、▲同飛成!
角金交換であるが龍を作って先手有利……に見えるが、実はソフトの評価値は後手有利だ。
次の一手が大事になる。
△5五角打!
この角打ちが先手の陣形を咎める一手。通常は龍に当てて角を打つことが普通だが、この場合は例外。
先手は▲3二龍としたが、自然に見えて緩手。△5二銀打としっかり受けて、両取りが残って後手有利だ。
このあとの後手の攻めも見事だったので、ぜひ棋譜を並べてみてほしい。
次回は先手が居玉を避けて6二玉にしてから攻めて来た場合の棋譜を紹介したい。