右玉へのスペシャリストを目指すなら、どんな相手でも右玉にしたいところだが、当然ながら無理な戦形もある。
これら、相手が右玉にできない作戦で来た場合の対応方法は考えておきたい。
(なお、理論的に右玉ができないというわけではなく、強引にやれば右玉にはできるが、かなりのハンデは負うことになるだろう)
対早石田
早石田に対しては右玉にすることができない。素直に左側(後手視点)に玉に囲うのがよいだろう。
4二玉や5四歩が一般的。乱戦になる筋が多いので、どちらか決めて定跡を研究するのがよいかもしれない。
元奨励会員の将棋YouTuberヤスさんの対策は、後手有望の変化があって面白いので、おすすめだ。
相振り飛車 角道を止めてこない早石田の対策
相手が角道を止めず、ダイレクトに飛車を振ってきた場合の対策。角交換して4五角打ちに対して、石田流側も8五角と打ち返すが、ここで8四歩として、先に馬を作らせるという作戦だ。
なお、角筋を止めてきた場合は、相振り飛車 早石田に対する対策を参考にしてみよう。
対筋違い角
筋違い角は、角交換のあと、3四の歩を掠め取る作戦。早々に角を手放すことになることもあり、コンピュータソフト的には評価が高くない。
しかし、筋違い角はスペシャリストが多いため、咎めることも難しいところ。
悠長に右玉にする暇もないので、筋違い角用の対策は考えておきたいところだ。
有名なのは、羽生竜王が採用した腰掛け銀にして4筋の位を取っていく方法。棋譜DB2に棋譜が残っているので、一度は見ておきたい。
2000-02-23 竜王戦鈴木大介 vs. 羽生善治 竜王戦
ただし、筋違い角のスペシャリストならば、当然この対策は知っているだけに、うまく指こなすのは難しいかもしれない。
また、奇襲破り辞典(本間博氏著)に掲載されている対策はちょっとユニーク。
角打ちに対して、5二金、3四角、3二金、6六歩(角の引き場所を作るために必要)、3三銀、7八角とした局面で、8四角打!
6六の歩を防ぐには6八飛とするしかないが、9五角が間接王手飛車となる。
もちろんこれで即優勢というわけではないが(ソフト的に互角)、飛車を持つことで相手の駒組みを制限させることができるので、覚えておいて損はないだろう。
奇襲破り辞典には、ほかにも筋違い角の対策が紹介されているので、興味があれば読んでみよう。
以上、早石田と筋違い角への対策方法の簡単な紹介となる。