今回は7二金型右玉 vs 早繰り銀で▲3四歩を叩いてきた局面で、△4四銀と出た場合の最終回。
7二金型右玉全体に知りたい場合は、インデックスページを参考にしてほしい。

羽生善治九段も愛用! 7二金型右玉インデックス
羽生九段が連採し、高い勝率(2020年2月現在は全勝!)を上げている7二金型右玉。 右玉NOWでは何度か触れているが、7二金型右玉に興味を持った人のためにインデックス的なページを用意しておきたい。このページは随時更新予定だ。 7二金型右玉と...
後手の持駒:角 歩 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v飛 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一 | ・ ・v金v玉 ・ ・v金 ・ ・|二 | ・ ・v桂v銀v歩v歩 ・v歩v歩|三 |v歩v歩v歩v歩 ・v銀 歩 ・ ・|四 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ 銀 歩 ・|五 | 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六 | ・ 歩 銀 歩 歩 歩 ・ ・ 歩|七 | ・ ・ 金 玉 金 ・ ・ 飛 ・|八 | 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:角 手数=34 △4四銀(33) まで
上の局面が▲3四歩打、△4四銀のテーマ図だが、ここで▲4六銀と引いた場合の手を考えてみよう。
具体的には以下の局面だ。
後手の持駒:角 歩 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v飛 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一 | ・ ・v金v玉 ・ ・v金 ・ ・|二 | ・ ・v桂v銀v歩v歩 ・v歩v歩|三 |v歩v歩v歩v歩 ・v銀 歩 ・ ・|四 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五 | 歩 ・ 歩 ・ ・ 銀 ・ ・ ・|六 | ・ 歩 銀 歩 歩 歩 ・ ・ 歩|七 | ・ ・ 金 玉 金 ・ ・ 飛 ・|八 | 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:角 後手番 手数=35 ▲4六銀(35) まで
銀を引かれてみると後手の手が広く、何を指してよいのか難しい。
参考棋譜は以下の通り。
40163103_0525_yatemae_2302_xo_JKishi18gou_3194.kif
じっと△1四歩
後手の持駒:角 歩 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v飛 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一 | ・ ・v金v玉 ・ ・v金 ・ ・|二 | ・ ・v桂v銀v歩v歩 ・v歩 ・|三 |v歩v歩v歩v歩 ・v銀 歩 ・v歩|四 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五 | 歩 ・ 歩 ・ ・ 銀 ・ ・ ・|六 | ・ 歩 銀 歩 歩 歩 ・ ・ 歩|七 | ・ ・ 金 玉 金 ・ ・ 飛 ・|八 | 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:角 手数=36 △1四歩(13) まで
本譜はじっと△1四歩。
後手の持駒:角 歩二 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v飛 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一 | ・ ・v金v玉 ・ ・v金 ・ ・|二 | ・ ・v桂v銀v歩v歩 ・ ・ ・|三 |v歩v歩v歩v歩 ・v銀 歩 飛 ・|四 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩|五 | 歩 ・ 歩 ・ ・ 銀 ・ ・ ・|六 | ・ 歩 銀 歩 歩 歩 ・ ・ 歩|七 | ・ ・ 金 ・ 金 ・ ・ ・ ・|八 | 香 桂 玉 ・ ・ ・ ・ 桂 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:角 歩 後手番 手数=41 ▲2四飛(28) まで
以下、▲7九玉、△1五歩、▲2四歩、△同歩、▲同飛(上図)。
ここで狙いの手がある。
後手の持駒:角 歩 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v飛 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一 | ・ ・v金v玉 ・ ・v金 ・ ・|二 | ・ ・v桂v銀v歩v歩 ・ ・ ・|三 |v歩v歩v歩v歩 ・v銀 歩 飛 ・|四 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩|五 | 歩 ・ 歩 ・ ・ 銀 ・ ・ ・|六 | ・ 歩 銀 歩 歩 歩 ・ ・ 歩|七 | ・ ・ 金 ・ 金 ・v歩 ・ ・|八 | 香 桂 玉 ・ ・ ・ ・ 桂 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:角 歩 手数=42 △3八歩打 まで
△3八歩打!
対早繰り銀でよくある手筋。
後手の持駒:角 歩 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v飛 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一 | ・ ・v金v玉 ・ ・v金 ・ ・|二 | ・ ・v桂v銀v歩v歩 ・ 歩 ・|三 |v歩v歩v歩v歩 ・v銀 歩 飛 ・|四 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩|五 | 歩 ・ 歩 ・ ・ 銀 ・ ・ ・|六 | ・ 歩 銀 歩 歩 歩 ・ ・ 歩|七 | ・ ・ 金 ・ 金 ・ ・ ・ ・|八 | 香 桂 玉 ・ ・ ・vと 桂 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:角 手数=44 △3九歩成(38) まで
▲2三歩打に△3九歩成。
ここで▲2三歩成は△1三角打があるので無理。なので、▲3三桂。
後手の持駒:角 歩 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v飛 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一 | ・ ・v金v玉 ・ ・v金 ・ ・|二 | ・ ・ ・v銀v歩v歩 ・ 歩 ・|三 |v歩v歩v歩v歩 ・v銀 歩 飛 ・|四 | ・v桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩|五 | 歩 ・ 歩 ・ ・ 銀 ・ ・ ・|六 | ・ 歩 銀 歩 歩 歩 桂 ・ 歩|七 | ・ ・ 金 ・ 金 ・ ・ ・ ・|八 | 香 桂 玉 ・ ・ ・vと ・ 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:角 手数=46 △8五桂(73) まで
右玉はここで伝家の宝刀△8五桂!
この局面は互角ながら評価値は右玉より。
後手の持駒:角 歩 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v飛 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一 | ・ ・v金v玉 ・ ・v金 ・ ・|二 | ・ ・ ・v銀v歩v歩 ・ 歩 ・|三 |v歩v歩v歩v歩 ・v銀 歩 飛 ・|四 | ・v桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩|五 | 歩 ・ 歩 ・ ・ 銀 ・ ・ ・|六 | ・ 歩 ・ 歩 歩 歩 桂 ・ 歩|七 | ・ ・ 金 銀 金 ・ ・ ・ ・|八 | 香 桂 玉 ・ ・ ・vと ・ 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:角 後手番 手数=47 ▲6八銀(77) まで
本譜は▲6八銀だったが、これは悪手。▲6六銀の方が良かった。
後手の持駒:なし 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v飛 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一 | ・ ・v金v玉 ・ ・v金 ・ ・|二 | ・ ・ ・v銀v歩v歩 ・ 歩v角|三 |v歩v歩v歩v歩 ・v銀 歩 ・ ・|四 | ・v桂 ・ ・ ・ 桂 ・ 飛v歩|五 | 歩 ・ 歩 歩 ・ 銀 ・ ・ ・|六 | ・ 歩 ・ ・ 歩 歩vと ・ 歩|七 | ・ ・ 金 銀 金 ・vと ・ ・|八 | 香 桂 玉 ・ ・ ・ ・ ・ 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:角 手数=54 △3七歩成(36) まで
以下、△1三角打、▲2五飛、△3八と、▲4五桂、△3六歩打、▲6六歩、△3七歩成で後手勝勢に。
積極的な△3三歩
後手の持駒:角 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v飛 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一 | ・ ・v金v玉 ・ ・v金 ・ ・|二 | ・ ・v桂v銀v歩v歩v歩v歩v歩|三 |v歩v歩v歩v歩 ・v銀 歩 ・ ・|四 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五 | 歩 ・ 歩 ・ ・ 銀 ・ ・ ・|六 | ・ 歩 銀 歩 歩 歩 ・ ・ 歩|七 | ・ ・ 金 玉 金 ・ ・ 飛 ・|八 | 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:角 手数=36 △3三歩打 まで
本譜では現れたなかったが、△3三歩と積極的に行く手もありそう。
こちらのほうが気持ちはいいだろう。
後手の持駒:角 歩 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・v香|一 | ・ ・v金v玉 ・ ・v金 ・ ・|二 | ・ ・v桂v銀v歩v歩v桂v歩v歩|三 |v歩v歩v歩v歩 ・v銀 ・ ・ ・|四 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五 | 歩 ・ 歩 ・ ・ 銀 ・ ・ ・|六 | ・ 歩 銀 歩 歩 歩 ・ ・ 歩|七 | ・ ・ 金 玉 金 ・ ・ 飛 ・|八 | 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:角 歩 手数=38 △3三桂(21) まで
▲同歩成に△同桂。相手の拠点を消しつつ、桂馬をさばく。
その一方で、▲3四歩打なども生じるが、現時点では△4五桂があるので大丈夫。
ここで先手の手が広い。
▲6六銀や▲5六角打なら、△6五桂。
▲1六歩や、▲7九玉、▲3四歩打なら△4五桂。
こで五角以上に戦えるはずだ。
3四歩打については以上。
今後は7二金型 vs 腰掛け銀、7二金型 vs ▲5六角打などを紹介したい。