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早囲い速攻への右玉の対策・勝又六段vs天野アマ戦より

プロの右玉

早囲いから早繰り銀で仕掛けてくる場合、手なりで受けてしまうと潰されてしまう危険がある。
そこで、プロの対局から参考になる一局を紹介しよう。
(正確にはプロ棋戦のアマだが。)

2017年銀河戦の勝又清和六段 vs 天野啓吾アマより。
https://shogidb2.com/games/1afefc82bde5cded9ff0d95002f0ff52f363f749

まずはこちらを並べてみてほしい。
早囲いが勝又六段で、右玉側が元アマ名人の天野アマだ。

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・v玉v金 ・v金 ・ ・|二
| ・ ・v桂v銀v歩v銀v角v歩v歩|三
|v歩 ・v歩v歩 ・v歩v歩 ・ ・|四
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ 歩 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 歩 歩 銀 ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 金 ・ 歩 ・ ・ 歩|七
| ・ ・ 玉 ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 角 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
後手番
手数=33  ▲3五歩  まで

早囲い側が3五歩の仕掛け。同歩と取ってしまうと、同銀と繰り出され、2筋が突破されてしまう。
ここは、4五歩が手筋で覚えておきたい。

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・v玉v金 ・v金 ・ ・|二
| ・ ・v桂v銀v歩v銀v角v歩v歩|三
|v歩 ・v歩v歩 ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・v歩 ・ ・ ・v歩 歩 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 歩 歩 銀 ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 金 ・ 歩 ・ ・ 歩|七
| ・ ・ 玉 ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 角 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=34  △4五歩  まで

同銀に対して、3五歩。
以降、同角、8六歩、同銀、6五歩と、右玉側は角筋を生かした攻めをする。

後手の持駒:歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・v玉v金 ・v金 ・ ・|二
| ・ ・v桂v銀v歩v銀v角v歩v歩|三
|v歩 ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・v歩 ・ 銀 角 歩 ・|五
| ・ 銀 歩 歩 歩 ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 金 ・ 歩 ・ ・ 歩|七
| ・ ・ 玉 ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩三 
手数=40  △6五歩  まで

その後、手が進み8五飛と引いて、5五銀と上がった局面。

後手の持駒:歩二 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・ ・v玉v金 ・v金 ・ ・|二
| ・ ・v桂v銀v歩v銀v角v歩v歩|三
|v歩 ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|四
| ・v飛 ・ ・ 銀 銀 角 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 金 ・ 歩 ・ ・ 歩|七
| ・ ・ 玉 ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩四 
後手番
手数=49  ▲5五銀  まで

ここで飛車切りが好手だった。

後手の持駒:銀 歩二 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・ ・v玉v金 ・v金 ・ ・|二
| ・ ・v桂v銀v歩v銀v角v歩v歩|三
|v歩 ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・v飛 銀 角 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 金 ・ 歩 ・ ・ 歩|七
| ・ ・ 玉 ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩四 
手数=50  △5五飛  まで

同歩、同角が飛車・香車取り。
ただし、右玉は飛車の打ち込みに弱いため、飛車を切るのは相当な慎重さが必要になる。

後手の持駒:銀 香 歩四 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ 飛v銀v玉 ・ ・v金 ・ ・|二
| ・ ・v桂 歩 ・v銀 ・v歩v歩|三
|v歩 ・v歩 ・v銀v歩 ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ 角 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 金 ・ 歩 ・ ・ 歩|七
| ・ ・ 玉 ・ 飛 ・ ・ ・ ・|八
|v馬 桂 ・ 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:金 歩二 
後手番
手数=65  ▲6三歩  まで

上図は右玉優勢の局面で先手が6三歩と叩いたところ。ここで7一玉と引いてしまったのが悪手で逆転。同銀ならば、5三金打などが見えて怖いが優勢を維持できていた。以降は勝又六段がプロの意地を見せて優勢のまま勝利したが、右玉党としても参考になる1局かとおもう。

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