早囲いから早繰り銀で仕掛けてくる場合、手なりで受けてしまうと潰されてしまう危険がある。
そこで、プロの対局から参考になる一局を紹介しよう。
(正確にはプロ棋戦のアマだが。)
2017年銀河戦の勝又清和六段 vs 天野啓吾アマより。
https://shogidb2.com/games/1afefc82bde5cded9ff0d95002f0ff52f363f749
まずはこちらを並べてみてほしい。
早囲いが勝又六段で、右玉側が元アマ名人の天野アマだ。
早囲い側が3五歩の仕掛け。同歩と取ってしまうと、同銀と繰り出され、2筋が突破されてしまう。
ここは、4五歩が手筋で覚えておきたい。
同銀に対して、3五歩。
以降、同角、8六歩、同銀、6五歩と、右玉側は角筋を生かした攻めをする。
その後、手が進み8五飛と引いて、5五銀と上がった局面。
ここで飛車切りが好手だった。
同歩、同角が飛車・香車取り。
ただし、右玉は飛車の打ち込みに弱いため、飛車を切るのは相当な慎重さが必要になる。
上図は右玉優勢の局面で先手が6三歩と叩いたところ。ここで7一玉と引いてしまったのが悪手で逆転。同銀ならば、5三金打などが見えて怖いが優勢を維持できていた。以降は勝又六段がプロの意地を見せて優勢のまま勝利したが、右玉党としても参考になる1局かとおもう。