2020年1月17日に行われた朝日杯将棋オープンで、後手の阿久津主税八段が右玉を採用してくれたので紹介したい。
阿久津主税八段はA級経験のある強豪棋士。第2回朝日杯将棋オープンの優勝者でもある。居飛車党で角換わりが得意だ。
対する先手は広瀬章人八段。王位と竜王の経験があるA級棋士。現在、王将戦で渡辺王将に挑戦中だ。棋風はかつては振り飛車党だったが、現在は居飛車党に転身している。
本局は角換わりから後手が即右玉にするという戦いとなった。
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中継:朝日杯将棋オープン戦 本戦トーナメント 阿久津主税八段 対 広瀬章人八段
※解説なし。視聴期限は切れているので有料会員のみ。
※以下、朝日杯将棋オープン戦事務局に許諾を頂き、局面図を利用しております。
後手、早めに右玉を明示
戦型は角換わり。後手はストレートに右玉へして手待ち模様に。先手は右銀を6七に配置するいわゆる銀矢倉へ。右玉を指していれば必ず直面するであろう形だ。
先手は2筋の歩を交換するが、後手はその瞬間に△5七角打!
先手としては▲4七金、△3一角成、▲5七角打で馬を消す手段もあったがそちらは千日手模様もあって選ばず。▲2二歩打としたが、ソフト的には緩手だったようで流れが後手傾いていった。
先手の攻めを切らせて快勝!
本譜は後手から馬・飛車交換を選択。と金も払うことができて好調だ。
一方の先手も71手目▲3二角打など強引な攻めでつないでいくが、後手は丁寧な受けで攻め駒を削っていく。
77手目▲8四銀打は右玉崩しの一手だが、後手優勢に。ソフトの読みは変えて、▲3七金だがかなり指しにくい手だ。
▲8四銀打に後手が△7一桂打と受けたのが好手。最後は先手の攻めを切らせて勝利となった。
プロ間の将棋では駆け引きのあとに右玉になることが多いが、本局は珍しいストレートの右玉。アマチュアに参考になるはず。
というわけで、右玉NOWは今後も阿久津主税八段を応援します!