floodgateの2019年全棋譜をダウンロードする
Twitterで西尾明七段がこんなつぶやきをしていた。
遅ればせながら、2019年のfloodgate全棋譜をダウンロードしてDB化。時間ができたら分析しよう。
— 西尾明 (@nishio1979) January 19, 2020
え? floodgateの棋譜データってまとめてダウンロードできるの? 2017年までしかなくない?
と思い、floodgateのWebサイトを確認してみると……。
なるほど。
ファイル名の2017を2019にするだけで、2019年の全棋譜をダウンロードできるようだ。これは助かる。ちなみに対局数は10万6,411局だった。
(ダウンロードの詳細は省略します)
CSA形式を人に優しいKIF形式に変換する
となればfloodgateで指された右玉の棋譜だけを抽出したいと思うのは当然の成り行きである。
しかし、floodgateの棋譜はCSA形式。自分の技術では解析しにくい。KIF形式に変換できないものか?
と思ってググってみたらありました。
Blunderの作者による棋譜変換ツールが。
GitHub – ak110/Blunder.Converter: 棋譜変換ツール。
これは神!
バイナリファイル(「releases」から落とせる)もあって即利用できる。
というわけで、全ファイルをKIFに変換!
これで準備は整った。
右玉の棋譜だけを抽出する
続いては右玉の判定である。
こちらは、「白ビール(Kristallweizen)の将棋倶楽部24勝局集から右玉を抽出する」というエントリでも利用した簡易判定方法を利用したい。引用すると以下の通りである(後手番の場合)。
・7三桂と跳ねているか
・6四歩を突いているか
・6三銀が一度でもあるか
・7二銀もしくは6二銀が一度でもあるか
・6二玉もしくは6一玉が一度でもあるか
・8一飛が一度でもあるか(飛車が一段に行っているかのほうがいいかも)
先手番だと7三桂が3七桂になったりするが、まあ同じだ。これらの条件が50手目までに満たされるかどうかを基準にしている。
正直、多少の誤判定はあるのだが仕方がない。
とりあえず先手右玉と後手右玉で分けて抽出した。相右玉の対局は、先手と後手に同じファイルが作成されるが、それも良しとしておこう。
勝敗ごとに振り分けをする
最後は勝敗の判定。
これは、最終手が「投了」となっていて、偶数手の投了なら先手勝ち、奇数手の投了は後手勝ちとする。「投了」がないファイルは引き分けとした。引き分けは千日手とfooldgateの仕様で256手を超えたものが含まれる。
で、結果は以下の通りとなった。
先手右玉 | 勝ち | 415 | 952 | 2398 |
負け | 488 | |||
引き分け | 49 | |||
後手右玉 | 勝ち | 653 | 1446 | |
負け | 707 | |||
引き分け | 86 |
被りはあるものの、2398局! これは解析するだけで大変そう。
しかし、この中に素晴らしい右玉の棋譜はたくさんあるはずなので、地道に調べていきたい。
また、右玉を抽出し、勝敗を分類した棋譜データを以下にアップしておくので必要な方はどうぞ。
floodgate2019_migigyoku.zip(3.59MB)
というわけで、右玉NOWは今後もfloodgateを応援します!