右玉と腰掛け銀が相対した場合、攻める右玉は4四銀(後手番の場合)と、銀を繰り出していく。
このとき、3七の桂頭を狙うのは右玉の常套手段だ。
桂頭を狙う3五歩!
右玉 vs 腰掛け銀の基本画面。右玉を指すならば、頻出する局面の1つである。
ここで右玉側が検討したいのは桂頭を狙う、3五歩の攻め筋。
腰掛け銀側の対応方法は、自然な同歩、受けに回る4七銀、銀取りに当てる4五歩などが考えられる。
4五歩は右玉有利
まずは、強気な4五歩としてきたところを検討してみよう。
右玉側も引いては意味がない。強気の3六歩。
このあとは当然、4四歩、3七歩成と進行する。
ここで4三歩成は、飛車を取るのではなく、落ち着いて同金が好手。
以降は2六飛、3五角打、2九飛、4七歩打などが進行の一例。
この展開は右玉有利と言えるだろう。
なお、4五歩に対して、5五銀とぶつけるのも一局だ。こちらは今回は検討しない。
4七銀も右玉有利
続いては、4七銀と引いた局面を検討しよう。
右玉は当然ながら、3六歩。対して、同銀までは必然だ。
ここで右玉は3五歩とするのではなく、5五銀と出よう。
次の4五歩や8五桂、6五歩などの攻め味を残していて、右玉が指しやすい。矢倉側の最善手は2六角打。
以降、8五桂、6八銀、4六銀が進行の一例。
同歩は互角の戦い
3五歩の局面、対応してもっとも手強いのは自然な同歩。
対して右玉は同銀。4七銀や3五歩打が残って右玉好調だが、ここで2四歩が好手。
3七歩打と攻め合うと、4五桂、2三歩成、2三歩成、2八と、3二と、となって、右玉で受け切るのは大変だ。
従って、同銀だが、ここで4七銀と受けてくる。
この局面は右玉も悪くないので互角といえるだろう。右玉は8五桂などの攻めを考えたい。
結論・桂頭狙いは「あり!」
以上、桂頭を狙う3五歩は右玉側にとって有望だ。
ただし、右玉も薄いので、飛車切りから、相手の無理攻めが決まってしまう可能性も十分にある。受けには十分注意したい。