元祖プロ棋士YouTuberの伊藤慎吾五段が、イトシンTVで角換わり右玉の動画を公開してくれたので紹介したい。
角換わり右玉vs引き飛車!角換わりの最新型&地下鉄飛車開通で玉頭戦になだれ込む!一手のミスが致命傷だ 将棋ウォーズ実況第150回
イトシンTVでは対右玉を指したことはあったが、伊藤慎吾五段自身が右玉を持つのは初めてかも。
(もしライブとかであったら教えて下さい!)
プロの先生が右玉を指しながら読み筋を解説してくれるという貴重な動画なので、右玉を指す人は感想戦も含めてぜひ視聴してほしい。
後手、角交換型風車右玉へ
戦型は角換わり右玉。青嶋未来五段「現代右玉のすべて」では角交換型風車右玉と呼ばれている形でいわゆる4三銀型だ。
先手が飛車先の歩を切ってきたときは、右玉にとっても作戦の岐路。
△2三歩が自然な手で本譜もそのように進んだが、ソフトは△3三桂と積極的な手も候補手に上げている。
△3三桂に対し、先手からいきなり▲2三角打や▲2三歩打は、いずれも△2一飛と回る手があって決まらない。覚えておきたい。
筋違い角を打たれたら?
後手は△3三桂。右玉としては左桂はさばきたいところ。
ここで右玉の天敵である筋違い角▲6七角打とされたらどう受けるか?
変化図
次の▲3五歩が受けにくい気がするが……。
△8四歩、▲3五歩、△4五歩として一局。
▲同歩の進行例はこちら。
▲3四歩の進行例はこちら。
本譜は▲6七角打とはならず、▲2五桂と進行した。
控えの桂からの攻め
60手目△7四桂と控えて打ったのはプロらしいさすがの一手。この時点で先手有利。しかし、先手も最強の受けである▲6六桂打で崩れない。10秒戦とは思えないレベルの高い戦いだ。
71手目、先手は▲6四金打で絡みつく。右玉側としてはよくある局面。
ソフトの読みは7四の銀を見捨てて、△6七歩打、▲同金、△4五角打(以下変化図)。
変化図
この局面はやや後手よりの互角か。
本譜は△5二角打と苦心の受けたが、▲8六桂打で先手有利に。
後手、逆転する
89手目▲6七歩打が先手の敗着。
変えて、▲6八歩打なら先手優勢だったが、△3四角打なども見えているだけに10秒戦では厳しかっただろう。
△6六歩打が厳しすぎる一手。以下は伊藤五段が確実に寄せて、後手の勝利となった。
というわけで、結果的には右玉の勝利となったが、先手番の方も強かった。一手の悪手逆転してしまうのが将棋の怖さ。
伊藤五段は右玉に慣れていないとはずだが、それでもプロらしい指し回しはお見事。右玉党にも勉強になると思う。
というわけで、右玉NOWは伊藤慎吾五段とイトシンTVを応援します!