糸谷流を潰すために、3三桂&1三角の形から攻めてくることは常套手段だ。
糸谷流右玉にとって非常にやっかいな相手で、油断するとすぐに潰されてしまう。
そこで対策方法を考えてみよう。
2二角と桂跳ねを見せたら要警戒
後手の持駒:なし 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂 ・v金 ・v飛 ・v桂v香|一 | ・v玉v銀 ・ ・ ・v金v角 ・|二 |v歩v歩v歩v歩v歩 ・ ・v歩v歩|三 | ・ ・ ・ ・v銀v歩v歩 ・ ・|四 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五 | ・ ・ 歩 歩 ・ 歩 歩 ・ ・|六 | 歩 歩 ・ 銀 歩 銀 桂 ・ 歩|七 | ・ 角 金 ・ ・ 玉 金 飛 ・|八 | 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:なし 手数=28 △2二角 まで
振り飛車側が2二角。これが油断ならない一手で、警戒しなければならない。
角覗きの端歩を早めに突いておく
後手の持駒:なし 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂 ・v金 ・v飛 ・v桂v香|一 | ・v玉v銀 ・ ・ ・v金v角 ・|二 |v歩v歩v歩v歩v歩 ・ ・v歩v歩|三 | ・ ・ ・ ・v銀v歩v歩 ・ ・|四 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五 | 歩 ・ 歩 歩 ・ 歩 歩 ・ ・|六 | ・ 歩 ・ 銀 歩 銀 桂 ・ 歩|七 | ・ 角 金 ・ ・ 玉 金 飛 ・|八 | 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:なし 後手番 手数=29 ▲9六歩 まで
9六歩は9七角からの攻めを見せた一手。
後手の持駒:なし 後手の持駒:なし 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂 ・v金 ・v飛 ・v桂v香|一 | ・v玉v銀 ・ ・ ・v金v角 ・|二 |v歩v歩v歩v歩v歩 ・ ・v歩 ・|三 | ・ ・ ・ ・v銀v歩v歩 ・v歩|四 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五 | 歩 ・ 歩 歩 ・ 歩 歩 ・ ・|六 | 角 歩 ・ 銀 歩 銀 桂 ・ 歩|七 | ・ ・ 金 ・ ・ 玉 金 飛 ・|八 | 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:なし 後手番 手数=31 ▲9七飛 まで
振り飛車は1四歩と端角も見せに来ている。
右玉は受けではなく、攻め合いを目指して、9七角で迎え撃とう。
後手の持駒:なし 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂 ・ ・ ・v飛 ・v桂v香|一 | ・v玉v銀v金 ・ ・v金v角 ・|二 |v歩v歩v歩v歩v歩 ・ ・v歩 ・|三 | ・ ・ ・ ・v銀v歩v歩 ・v歩|四 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五 | 歩 ・ 歩 歩 ・ 歩 歩 ・ ・|六 | 角 歩 桂 銀 歩 銀 桂 ・ 歩|七 | ・ ・ 金 ・ ・ 玉 金 飛 ・|八 | 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:なし 後手番 手数=33 ▲7七桂 まで
6二金と受けた手に対して、7七桂と力を溜める。
後手の持駒:なし 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂 ・ ・ ・v飛 ・ ・v香|一 | ・v玉v銀v金 ・ ・v金v角 ・|二 |v歩v歩v歩v歩v歩 ・v桂v歩 ・|三 | ・ ・ ・ ・v銀v歩v歩 ・v歩|四 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五 | 歩 ・ 歩 歩 銀 歩 歩 ・ ・|六 | 角 歩 桂 ・ 歩 銀 桂 ・ 歩|七 | ・ ・ 金 ・ ・ 玉 金 飛 ・|八 | 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:なし 後手番 手数=35 ▲5六銀 まで
5七銀で4筋を補強する
3三桂に対しては5七銀で受ける。この状態なら4五歩はあり得るものの、即潰されてしまう心配はない。
後手の持駒:なし 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂 ・ ・ ・v飛 ・ ・v香|一 | ・v玉v銀v金 ・ ・v金 ・ ・|二 |v歩v歩v歩v歩v歩 ・v桂v歩v角|三 | ・ ・ ・ ・v銀v歩v歩 ・v歩|四 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五 | 歩 ・ 歩 歩 銀 歩 歩 ・ ・|六 | 角 歩 桂 ・ 歩 銀 桂 ・ 歩|七 | ・ ・ 金 ・ ・ 玉 金 飛 ・|八 | 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:なし 手数=36 △1三角 まで
振り飛車は1三角と覗いて最高の攻め態勢に。何も準備せずにこの状態にしてしまうと潰されてしまう。
攻め合いで五角以上の戦いを目指す
後手の持駒:なし 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂 ・ ・ ・v飛 ・ ・v香|一 | ・v玉v銀v金 ・ ・v金 ・ ・|二 |v歩v歩v歩v歩v歩 ・v桂v歩v角|三 | ・ ・ ・ ・v銀v歩v歩 ・v歩|四 | ・ ・ ・ 桂 ・ ・ ・ 歩 ・|五 | 歩 ・ 歩 歩 銀 歩 歩 ・ ・|六 | 角 歩 ・ ・ 歩 銀 桂 ・ 歩|七 | ・ ・ 金 ・ ・ 玉 金 飛 ・|八 | 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:なし 後手番 手数=40 ▲6五桂 まで
6五桂と攻め合いを選ぶ。振り飛車側も守りは堅くない。反動を狙おう。
6四歩と桂頭を狙う手は同角で大丈夫。
この状態で4五歩に対しては無視して5三桂成で糸谷流右玉有利。4二金と受けることになるが、一瞬飛車先が止まる。
後手の持駒:なし 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂 ・ ・ ・v飛 ・ ・v香|一 | ・v玉v銀v金 ・v金 ・ ・ ・|二 |v歩v歩v歩v歩v歩 ・v桂v歩v角|三 | ・ ・ ・ ・v銀v歩v歩 ・v歩|四 | ・ ・ ・ 桂 ・ ・ ・ 歩 ・|五 | 歩 ・ 歩 歩 銀 歩 歩 ・ ・|六 | 角 歩 ・ ・ 歩 銀 桂 ・ 歩|七 | ・ ・ 金 ・ 玉 ・ 金 飛 ・|八 | 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:なし 後手番 手数=39 △5八玉 まで
糸谷流右玉として指しておきたいのが、5八玉。飛車筋を避けて、防御力が増す。
(4六歩打はケアしなければならないが)
この状態はほぼ互角。角先を狙う9四歩は、2九飛と地下鉄飛車を実現させて大丈夫。
5二金と飛車筋を開けてきたら、やはり2九飛。
まだまだ難しい局面は続くが、互角には戦えるはずだ。
以上、3三桂と端角に対抗する手段を紹介した。
今回は振り飛車側も最低限の囲いで攻めているので成立したが、場合によっては、攻め合いで潰されてしまうケースもある。また別の機会で検討したい。