2020年5月2日に放送された第3回AbemaTVトーナメントで佐藤天彦九段が右玉を採用してくれたので紹介したい。
佐藤天彦九段は前名人のトップ棋士。ファッション好きで、貴族の愛称で人気。今回のチームまったりのリーダーでもある。
対するのは、稲葉陽八段。2017年度には名人戦も挑戦した関西の強豪。そのときの対局相手が佐藤天彦九段になる。チームInvictusのリーダーでもある。
本局はフィッシャールール(持ち時間5分切れ負け、一手指すごとに+5秒)採用の超早指し戦。3局指して先に2勝したほうが勝利となるルールの3戦目第2局となる。
ここまでチームまったりが破竹の5連勝。
まったりがスイープするか、それともInvictusが意地を見せるかという一局となった。
動画は以下からどうぞ
おしゃれチームVSインビクタス!予選Bリーグ 第一試合<チーム天彦対チーム稲葉>
※開始は2:53:56ごろから。無料ユーザーは期限切れ。ABEMAプレミアムのみ視聴が可能です。
将棋連盟主催の棋戦ではないため、必要最小限の局面図のみ掲載させていただきます。AbemaTV関係者の方、問題ありましたらご連絡お願いします。
相掛かりの出だしから先手は苦心の右玉へ
序盤は相掛かりの最新形。後手がうまく立ち回るが、先手は3八金型の右玉へ。
この局面、△8六歩からの攻めが気になるところ。稲葉八段はフィッシャールールとしては長考をしてから仕掛けを見送った。△8六歩(変化図1)は成立するのだろうか?
変化図1
△8六歩、▲同歩、△同銀に▲6六角! が返し技。
ソフトに深く読ませてみると、△7五銀(変化図2)という強手で互角のようだ。
変化図2
銀を犠牲にして飛車の成り込みを見せる。個人的には後手を持ちたいが、先手もやれるようだ。
具体的には、▲2四歩打、△同歩、▲2三歩打と2筋から攻めていく。
先手、驚きの手順で右玉の理想的に組む
後手は8筋の攻めではなく、△7四飛。ここから先手の構想がすごい。
まずは7七金!
△7六歩は重くなるし、△7六銀は、▲7五歩打から飛車を呼んで金を当てる手がある。
後手は△4四歩とするが、▲3五歩から1歩手に入れて▲7六歩打!
△同銀には、▲7五歩打、△同飛、▲8六金、△7四飛、▲7五歩打(変化図3)があるのだ。
変化図3
この局面は正確には後手有利みたいだが、今回は見送られた。
さらに数手進んでみると、以下の局面に。
いつの間にか右玉側も理想的な形になっている。恐るべきは佐藤天彦九段。
本局は以下の展開も非常に面白いので、ぜひAbameTVで見てほしい。
とくに終盤の応酬は解説も追いつかないほどのハラハラする展開となるのだ。
というわけで、右玉NOWは佐藤天彦九段とチームまったりを応援します!