将棋世界6月号で第26回升田幸三賞選考会の様子が紹介されていた。
その中で選考員の一人、津江章二さん(共同通信)が
3つ候補があります。(略)羽生九段が一手損角換わりの早繰り銀対策として多用している、△7二金型右玉。
と、7二金型右玉を候補に上げてくれていた!
考えてみれば升田幸三賞を取ってもおかしくないほどの独創的な構想ではある。
結果はご存知の通りエルモ囲いが受賞した。
そのことに異論はないが、受賞すれば右玉関係で初の升田賞だっただけに惜しい。惜しすぎる。
念の為紹介すると、7二金型右玉とは以下のような形。
通常は5二にある金を7二に置く異形。しかし、これが意外と堅い。
「羽生流右玉」や「羽生式右玉」などで呼ばれることもあるようだ。
詳しくは7二金型右玉インデックスのページを参照してほしい。
ちなみに7二金型右玉の現状だが、羽生九段は2019年9月の棋王戦挑戦者トーナメントを最後に指していない。
原因として考えられるのは、一手損角換わりからの7二金型右玉は先手の8八銀、6八玉型が優秀すぎることがあるだろう。
ただ、四間飛車に変化する対策、手損のない角換わりでの7二金型右玉など可能性は色々残っているので、再び羽生九段が7二金型右玉を指す日を期待したい。
ちなみに同じ将棋世界6月号の付録はお馴染み新手名鑑2020年度版。
こちらでも右玉の局面が2つほど紹介されている。
1つは後手番右玉で郷田真隆九段の新手。
もう1つは、対右玉の松尾歩八段の打開。
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個人的には新手だけではなく、以前のようにポカも紹介してほしいけど、棋士から苦情があったのかな~。
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