2020年5月23日に放映された第3回AbemaTVトーナメント予選Cリーグ第一試合で雁木右玉が登場したので紹介したい。
第3回AbemaTVトーナメントは3人1組のチーム戦。3局指して2勝したほうが勝利のシステムで、フィッシャールールの超早指し戦である。
今週から予選Cリーグに入り、チーム康光 vs チーム糸谷の戦いに。
迎えた第三試合は佐藤康光九段 vs 糸谷哲郎八段の大将同士の対戦で、初戦は佐藤会長が勝利。次戦は千日手。本局は千日手指し直し局となり、ただでさえ少ない持ち時間がさらに少ない状態でスタートした。
動画は以下からどうぞ。
待望のレジェンドチーム登場!予選Cリーグ第一試合<チーム康光 VS チーム糸谷>
※4:00:03頃から。無料ユーザーは期限切れ。ABEMAプレミアムのみ視聴が可能です。
将棋連盟主催の棋戦ではないため、必要最小限の局面図のみ掲載させていただきます。AbemaTV関係者の方、問題ありましたらご連絡お願いします。
角交換拒否の雁木右玉 vs 右四間飛車へ
序盤は後手が角換わりを拒否。先手は右四間へ。
後手は雁木右玉に構える構想。
実は初戦も右四間 vs 雁木右玉に一瞬なりかけたが、すぐに玉が左を移動した。
第一局参考図
第一局目の局面。このあと6筋で歩交換が行われて佐藤九段は玉を左へ遷都。
佐藤会長、やや無理な仕掛けか
本局の分岐点はここ。佐藤九段は1筋で強引に一歩を入手して桂頭を攻める構想だったが、糸谷八段の▲2四歩が絶妙のタイミングで先手有利に(以下図)。
本譜の▲2四歩以下は、飛車を見捨てて攻めた糸谷八段が圧巻の攻め。
歩を巧みに使い、圧倒言う間に後手玉を寄せ切ってしまった。
ソフトの読みは△3五歩に変えて△4五桂。
お互いに桂をさばくことになるが、後手には3七角打の狙いが残るので、互角ながら後手指せそう(以下変化図)。
変化図
というわけで、本局は糸谷八段が豪腕を発揮し、雁木右玉側の負けにはなってしまったが、対局は本局を含めいずれも熱戦で面白かった。未見の方は視聴できる期間でぜひ。
右玉NOWは佐藤康光会長と第3回AbemaTVトーナメントを応援します!