6月21日に放映された第3回AbemaTVトーナメント予選Dリーグ第二試合にて、羽生善治九段が藤井聡太七段に対して右玉を採用してくれたので紹介したい
第3回AbemaTVトーナメントはネットのAbemaTVで放送されている3人1組のチーム戦。
3局指して2勝したほうが勝利のシステムで、フィッシャールールの超早指し戦である。
今週はDリーグ2試合目。
注目はなんといっても羽生善治九段と藤井聡太七段。
オーダー発表の結果、両者はいずれも大将! 全国民期待のスーパースター同士の対局が実現した。
羽生善治九段はご存知将棋界のスーパースター。永世七冠、タイトル99期と将棋の歴史を塗り替える歴史的人物である。棋風はオールラウンダーで右玉の採用もそれなりに多い。
対するのは藤井聡太七段。こちらも社会現象を起こすレベルのスーパースター。完全なる居飛車党で、指し手は正確無比。寄せの能力も歴代トップクラスだ。
動画は以下からどうぞ
<羽生VS藤井が実現!予選Dリーグ 第二試合<チーム永瀬VSアベマドリームチーム>
※3:12:30頃から。無料ユーザーは視聴期限があります。
※ABEMAプレミアムならコメント付きで視聴可能です。
将棋連盟主催の棋戦ではないため、一部局面図のみ掲載させていただきます。AbemaTV関係者の方、問題ありましたらご連絡お願いします。
後手の羽生九段、角換わり右玉を選択
序盤は角換わりの流行型。43手目▲4五歩はやや珍しいかもしれない。
先手は飛車を6筋に、後手は右玉へ。
右玉完成時点の局面は先手も仕掛けにくい。評価値も互角か千日手模様で後手作戦勝ちだと思われる。
藤井七段、仕掛ける
先手は巧みな駒組みから▲5五歩。一歩交換が確定する。
ただ、ソフトは評価しておらず、後手から△4四歩! という手があったようだ。
以下、▲同歩、△同銀、▲5四歩、△同銀で後手有利(以下変化図1)。
変化図1
後手もまとめにくそうだが、評価値は後手よりとなる。
72手目の局面。ここから藤井聡太七段の仕掛けは見事。
▲2四歩、△同歩、▲3五歩、△同歩、▲3四歩(以下図)。
一気に攻めが突き刺さる。△2二銀、▲3四飛、△2三歩打、▲2六飛と引き上げ。
その後、後手は馬を作るが、2筋を突破されてしまった。
羽生九段の迫力のある寄せ
最終盤、後手陣は詰めろ。ここから羽生九段は寄せに出る。
△8七歩成、▲同金、△8七飛成!(上図)
迫力のある手順だが、残念ながら先手陣には詰みなし。先手は確実に逃げて後手投了。
以上、藤井聡太七段の勝利となったが、羽生九段がなりふり構わず千日手狙いなら先手も打開できなかったかもしれない。
右玉党は並べる価値のある一局といえるだろう。
というわけで、右玉NOWは今後も羽生善治九段を応援します!