2020年8月18日に行われた朝日杯オープン戦で飯塚祐紀七段が後手番で右玉を採用してくれたので紹介したい。
飯塚祐紀七段は、居飛車党のベテラン棋士で順位戦はB級2組。棒銀を得意とし、振り飛車相手にも棒銀を使うことも。最強棒銀戦法は名著。右玉の採用も度々ある。
対する先手は佐々木勇気七段。16歳でデビューした俊英で、将来のタイトル候補。生粋な居飛車等で横歩取りを得意にしている。
本譜は角換わりから後手はストレートに右玉。先手は7七の銀を7六に繰り替える将棋となった。
棋譜はスマホアプリ「日本将棋連盟モバイル」で観戦できるのでそちらでどうぞ。
解説なしですがAbemaTVの中継も見られます
【独占】朝日杯野月八段-渡辺正五段/杉本四段-第1局勝者/飯塚七段-佐々木勇七段
※対局は8:43:50あたりから。
※ABEMAプレミアムならコメント付きで視聴可能です。
風車右玉 vs 6七銀型
序盤は手損のない正調角換わりから後手は右玉へ。後手は風車右玉へ組み換え、先手は7七銀型から6七銀型に変化する。
先手の作戦は、右桂を交換し、▲5七桂と設置するというもの。
後手、右玉を捨て攻めを誘う
後手は右玉を捨てて玉を左へ。先手は▲6二角打を敢行。この時点の評価値は互角だが、やや後手より。
珍しい? 「同桂4連発」
76手目からは同桂4連発。正確には「△同桂左、▲同桂左、△同桂右、▲同桂右」だが、かなり珍しいかもしれない(気にしてないだけでよくあるかもしれないが)。結果、お互い桂馬を2枚ずつ手持ちに。同桂地獄の時点では後手優勢。
しかし、82手目△3七角あたりから変調か。素直に△6六桂打でよかったかもしれない。形勢は互角に。
先手攻め切る
106手目5五角成が自然に見えて、ソフトによると敗着。変えて、△5五角打、▲7七桂に△4一桂打と受けに入れば後手有利だったようだ。
本譜は119手目を見て、後手投了。後手玉は詰めろ、先手は玉は詰まず、投了もやむなしか。
というわけで、右玉らしい玉の自由な移動で一時は優勢を築いたが、結果的には右玉の負け。しかし、右玉さばきは参考になるだろう。
右玉NOWは今後も飯塚祐紀七段を応援します!