糸谷流右玉を指していると、銀を6五に繰り出して、7六の歩を狙う欲張った指し方をしてくる場合がある。
テーマ図は以下の通り。四間飛車と三間飛車など、微妙な形の違いでも対応が異なってくる。
後手の持駒:なし 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂v銀v金 ・v金 ・v桂v香|一 | ・ ・ ・v玉 ・v飛 ・ ・ ・|二 |v歩v歩v歩v歩v歩 ・v角v歩v歩|三 | ・ ・ ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・|四 | ・ ・ ・v銀 ・ ・ ・ 歩 ・|五 | ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 歩 ・ ・|六 | 歩 歩 ・ 歩 歩 銀 桂 ・ 歩|七 | ・ 角 ・ ・ ・ ・ 金 飛 ・|八 | 香 桂 銀 金 玉 ・ ・ ・ 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:なし 手数=18 △6五銀 まで
受け身の7五歩、積極的な5六銀
まずは相手が四間飛車の場合、7五歩とかわす手と、5六銀と積極的にぶつける手が考えられる。
後手の持駒:なし 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂v銀v金 ・v金 ・v桂v香|一 | ・ ・ ・v玉 ・v飛 ・ ・ ・|二 |v歩v歩v歩v歩v歩 ・v角v歩v歩|三 | ・ ・ ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・|四 | ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五 | ・ ・v銀 ・ ・ 歩 歩 ・ ・|六 | 歩 歩 ・ 歩 歩 銀 桂 ・ 歩|七 | ・ 角 金 ・ ・ ・ 金 飛 ・|八 | 香 桂 銀 ・ 玉 ・ ・ ・ 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:なし 後手番 手数=27 ▲7八金 まで
7五歩に7六銀と繰り出して、7八金で角頭を守る。局面は互角。
移行は6六歩で逃げ道を封鎖し、8六歩も入れば、どこかで1歩入れば、銀を捕獲できる可能性が高い。
後手の持駒:なし 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂v銀v金 ・v金 ・v桂v香|一 | ・ ・ ・v玉 ・v飛 ・ ・ ・|二 |v歩v歩v歩v歩v歩 ・v角v歩v歩|三 | ・ ・ ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・|四 | ・ ・ ・v銀 ・ ・ ・ 歩 ・|五 | ・ ・ 歩 ・ 銀 歩 歩 ・ ・|六 | 歩 歩 ・ 歩 歩 ・ 桂 ・ 歩|七 | ・ 角 ・ ・ ・ ・ 金 飛 ・|八 | 香 桂 銀 金 玉 ・ ・ ・ 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:なし 後手番 手数=25 ▲5六銀 まで
5六銀はかなりの積極策ながら、おすすめの対策でもある。
後手は同銀と7六銀の両方が考えられるので、その後の進行を紹介しよう。
後手の持駒:銀 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂v銀v金 ・v金 ・v桂v香|一 | ・ ・ ・v玉 ・v飛 ・ ・ ・|二 |v歩v歩v歩v歩v歩 ・v角v歩v歩|三 | ・ ・ ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・|四 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五 | ・ ・ 歩 ・ 歩 歩 歩 ・ ・|六 | 歩 歩 ・ 歩 ・ ・ 桂 ・ 歩|七 | ・ 角 ・ ・ ・ ・ 金 飛 ・|八 | 香 桂 銀 金 玉 ・ ・ ・ 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:銀 後手番 手数=27 ▲5六歩 まで
5六銀に同銀、同歩の局面。ソフト的には互角。
ここから糸谷流右玉にするのは得策ではないので、素直に6八玉から左に囲おう。
後手の持駒:歩 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂v銀v金 ・v金 ・v桂v香|一 | ・ ・ ・v玉 ・v飛 ・ ・ ・|二 |v歩v歩v歩v歩v歩 ・v角v歩v歩|三 | ・ ・ ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・|四 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五 | ・ ・v銀 ・ 銀 歩 歩 ・ ・|六 | 歩 歩 ・ 歩 歩 ・ 桂 ・ 歩|七 | ・ 角 ・ ・ ・ ・ 金 飛 ・|八 | 香 桂 銀 金 玉 ・ ・ ・ 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:なし 手数=26 △7六銀 まで
5六銀に対して、7六歩と掠め取ってきた場合は、怖いが、4五歩と積極的に仕掛ける。
後手の持駒:歩 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂v銀v金 ・v金 ・v桂v香|一 | ・ ・ ・v玉 ・v飛 ・ ・ ・|二 |v歩v歩v歩v歩v歩 ・v角v歩v歩|三 | ・ ・ ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・|四 | ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・ 歩 ・|五 | ・ ・v銀 ・ 銀 ・ 歩 ・ ・|六 | 歩 歩 ・ 歩 歩 ・ 桂 ・ 歩|七 | ・ 角 ・ ・ ・ ・ 金 飛 ・|八 | 香 桂 銀 金 玉 ・ ・ ・ 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:なし 後手番 手数=27 ▲4五歩 まで
同歩なら、3三角成、同桂、2四歩と乱戦模様に。
指しこなすのはかなり難しいが、乱戦好きなら選んでもよい局面だろう。
相手が三間飛車なら咎められる
続いてはテーマ図が三間飛車の場合。
後手の持駒:なし 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂v銀v金 ・v金 ・v桂v香|一 | ・ ・ ・v玉 ・ ・v飛 ・ ・|二 |v歩v歩v歩v歩v歩 ・v角v歩v歩|三 | ・ ・ ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・|四 | ・ ・ ・v銀 ・ ・ ・ 歩 ・|五 | ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 歩 ・ ・|六 | 歩 歩 ・ 歩 歩 銀 桂 ・ 歩|七 | ・ 角 ・ ・ ・ ・ 金 飛 ・|八 | 香 桂 銀 金 玉 ・ ・ ・ 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:なし 手数=24 △6五銀 まで
三間飛車の場合、6五銀と繰り出すのは悪手。
後手の持駒:なし 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂v銀v金 ・v金 ・v桂v香|一 | ・ ・ ・v玉 ・ ・v飛 ・ ・|二 |v歩v歩v歩v歩v歩 ・v角v歩v歩|三 | ・ ・ ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・|四 | ・ ・ ・v銀 ・ 歩 ・ 歩 ・|五 | ・ ・ 歩 ・ ・ ・ 歩 ・ ・|六 | 歩 歩 ・ 歩 歩 銀 桂 ・ 歩|七 | ・ 角 ・ ・ ・ ・ 金 飛 ・|八 | 香 桂 銀 金 玉 ・ ・ ・ 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:なし 後手番 手数=25 ▲4五歩 まで
4五歩ですかさず仕掛ける。
同歩、3三角成、同桂、2四歩、同歩、同飛。
後手の持駒:角 歩二 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂v銀v金 ・v金 ・ ・v香|一 | ・ ・ ・v玉 ・ ・v飛 ・ ・|二 |v歩v歩v歩v歩v歩 ・v桂 ・v歩|三 | ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 飛 ・|四 | ・ ・ ・v銀 ・v歩 ・ ・ ・|五 | ・ ・ 歩 ・ ・ ・ 歩 ・ ・|六 | 歩 歩 ・ 歩 歩 銀 桂 ・ 歩|七 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ 金 ・ ・|八 | 香 桂 銀 金 玉 ・ ・ ・ 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:角 歩 後手番 手数=29 ▲2四飛 まで
これで+500程度のリード。同桂のあと、4三角打も見えるが、飛車先を突くほうがだいぶ得だ。
居玉の場合は居飛車への振り戻しに注意
後手の持駒:なし 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂v銀v金v玉 ・ ・v桂v香|一 | ・v飛 ・ ・ ・ ・v金 ・ ・|二 |v歩 ・v歩v歩v歩 ・v角v歩v歩|三 | ・ ・ ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・|四 | ・v歩 歩 ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五 | ・ ・v銀 歩 ・ 歩 歩 ・ ・|六 | 歩 歩 ・ ・ 歩 銀 桂 ・ 歩|七 | ・ 角 金 ・ ・ 玉 金 飛 ・|八 | 香 桂 銀 ・ ・ ・ ・ ・ 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:なし 手数=34 ▲8五歩 まで
相手が居玉のまま銀を繰り出した場合、銀を閉じ込めようとすると、相手が飛車を戻して8筋から攻めて来る可能性がある。
この局面となったら、右玉側が不利になるので十分注意したい。
以上、銀の単騎攻めの対策でした。
怖い攻めではないが、油断すると崩壊の可能性も秘めているので、慎重に指していきたい。