糸谷流右玉はアマチュアに人気だが、プロの棋譜は少ない。
そこで、アマチュア高段による棋譜を参考にしてみよう。
今回は中飛車に対して、糸谷流右玉が快勝した好局を紹介したい。
コメントは、ソフトの解析を参考にして、ミギーがつけたものである。
まずは、以下を並べてみよう(要Javascript)。
後手の持駒:なし 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一 | ・v玉v銀 ・v飛v金 ・ ・ ・|二 | ・v歩v歩 ・ ・ ・v角v歩 ・|三 |v歩 ・ ・v歩v銀v歩v歩 ・v歩|四 | ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・ 歩 ・|五 | 歩 ・ 歩 歩 ・ 歩 歩 ・ 歩|六 | ・ 歩 桂 銀 歩 銀 桂 ・ ・|七 | ・ 角 ・ ・ 金 玉 金 ・ ・|八 | 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:なし 後手番 手数=35 ▲5八金 まで
図1。糸谷流右玉は5八金型と、6八金型がある。
中飛車に対しては、5八金とするのが一般的。ただし、角が動くことで、7七の桂馬のヒモが外れていることを狙われることがあるので注意したい。
後手の持駒:なし 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一 | ・v玉v銀 ・v飛 ・ ・ ・ ・|二 | ・v歩v歩 ・v金 ・v角v歩 ・|三 |v歩 ・ ・v歩v銀v歩v歩 ・v歩|四 | ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・ 歩 ・|五 | 歩 ・ 歩 歩 ・ 歩 歩 ・ 歩|六 | ・ 歩 桂 銀 歩 銀 桂 金 ・|七 | ・ 角 ・ ・ 金 玉 ・ ・ ・|八 | 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:なし 後手番 手数=37 ▲2七金 まで
図2。2七金は4筋の弱体化となる場合もあるが、攻めとしては有効。棒金模様で攻めていくことができる。
ただし、仮に角金交換をしても、形が悪いと形勢を損ねることがある。
後手の持駒:歩 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一 | ・v玉v銀 ・v飛 ・ ・ ・ ・|二 | ・v歩 ・v金 ・v銀v角v歩 ・|三 |v歩 ・v歩v歩 ・v歩 ・ ・v歩|四 | ・ ・ ・ ・v歩 ・ 歩 歩 ・|五 | 歩 ・ 歩 歩 ・ 歩 ・ 金 歩|六 | ・ 歩 桂 銀 歩 銀 桂 ・ ・|七 | ・ 角 ・ ・ 金 玉 ・ ・ ・|八 | 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:なし 手数=46 △4三銀 まで
図3。3筋の制圧。ただし反撃される可能性は残っている。
後手の持駒:歩 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一 | ・v玉v銀 ・v飛 ・ ・ ・ ・|二 | ・v歩 ・v金 ・v銀v角v歩 ・|三 |v歩 ・v歩v歩 ・v歩 ・ ・v歩|四 | ・ ・ ・ ・v歩 ・ 歩 歩 ・|五 | 歩 ・ 歩 歩 ・ 歩 ・ 金 歩|六 | 角 歩 桂 銀 歩 銀 桂 ・ ・|七 | ・ ・ ・ ・ 金 玉 ・ ・ ・|八 | 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:なし 後手番 手数=47 ▲9七銀 まで
図4。糸谷流右玉といえば、端角ともいうべき攻め筋。飛車が下段にいれば、9五歩は怖くない。
以降は右玉側が優位を保ったまま勝利。糸谷流右玉的な手筋が多く、何度も並べて参考にしたい一局だった。