糸谷流右玉の開祖といえば、糸谷哲郎八段。
竜王位の経験があり、最近ではネット番組でのメディア露出も多く人気棋士の1人である。
糸谷流右玉を指しこなしたいならば、本家の棋譜は並べておきたいところだ。
そこで、公式戦の糸谷流右玉の棋譜を紹介しよう。
2018/10/05 2局分追加しました
2018/09/08 2局分追加しました
糸谷流右玉の原型? 6二玉型
2004-10-26 新人王戦糸谷哲郎 vs. 石橋幸緒 新人王戦
新人王戦から。6八玉型なので、正確には糸谷流右玉ではないかもしれない。後手は中飛車から向かい飛車へ。対局者の石橋元女流も糸谷流右玉の使い手として知られていた。
棋譜が残る奨励会三段リーグの右玉!
2005-03-03 奨励会伊藤真吾 vs. 糸谷哲郎 三段リーグ
奨励会時代の一局。なぜか棋譜DB2に棋譜が残っていた。先手は中飛車から三間飛車へ。糸谷三段(当時)は棒金で対応するが負け。
奨励会三段時代、新人王戦で中飛車を攻略
2005-11-11 新人王戦宮本広志 vs. 糸谷哲郎 新人王戦
新人王戦で披露した本家糸谷流右玉。中盤不利になるものの、逆転して勝利。当時糸谷は奨励会三段で17歳になったばかり。
大棋士の中飛車を糸谷流右玉で撃破!
2006-09-29 朝日杯将棋オープン戦糸谷哲郎 vs. 中原誠 朝日オープン
棋界の太陽・中原誠との一局。糸谷流右玉が炸裂した有名な対局であり、当時若干17歳の糸谷が大棋士を破ったことでも話題になった。調べた限りでは、プロ棋士になってから公式戦最初の糸谷流右玉である。
(もっと古い棋譜が見つかったら修正します)
将棋大技典 – 1http://www.nicovideo.jp/watch/sm5390487
でも詳しく触れられている。
戦型は中飛車vs糸谷流右玉。糸谷流右玉の感覚を得るためのエッセンスは豊富に詰まっているので、何度か並べてみたい。
新人王戦決勝戦で糸谷流右玉を披露して優勝!
2006-10-06 新人王戦糸谷哲郎 vs. 横山泰明 新人王戦
新人王戦決勝2番勝負の第一局で披露した糸谷流右玉。銀冠中飛車に快勝し、続く第二局も勝利して新人王を獲得した。
順位戦で対三間飛車に右玉! 投了に追い込んだ一手は必見
2007-09-18 順位戦糸谷哲郎 vs. 矢倉規広 順位戦
続いては、矢倉を指さない矢倉こと矢倉七段との順位戦。
三間飛車に対して糸谷流右玉で迎え撃つ。
こちらは糸谷流らしい指し回しで、参考になる部分は多い。
一局としては、糸谷リードだったが、疑問手が合って入玉を防ぎきれない展開に。
が、後手にもミスがあり、最後の局面。
次の一手を見て、矢倉は投了。その一手とは?
9六香打!
なんとも美しい決め手。同とに9五歩打が継続手で詰みがある。
テレビ対局で実現した糸谷流右玉
2009-12-21 NHK杯糸谷哲郎 vs. 鈴木大介 NHK杯
NHK杯で振り飛車党との鈴木大介九段との対局というだけに、戦前から糸谷流右玉が期待されたが、見事期待に応えて、糸谷は右玉に。
この一局は5七銀型。
かなりイレギュラーな形になったので、糸谷流右玉を指しこなしたいという人にはあまり参考にならないかもしれないが、一度は並べてみたい。
再び矢倉戦で糸谷流右玉! ……が
2010-11-11 朝日杯将棋オープン戦矢倉規広 vs. 糸谷哲郎 第04回朝日杯将棋オープン二次予選G
矢倉七段との対局を再び糸谷流右玉で迎え撃った一局。戦型は向かい飛車vs糸谷流右玉。
序盤は糸谷流が優位に進めるが、58手目の4五歩打など疑問手がいくつかあり、あっとう言う間に敗勢に。
しかし、矢倉も決め手を逃し、泥沼の戦いになる。
最後は入玉を阻止できず、糸谷投了。
負けはしたが、序盤は糸谷流優勢だった。
以上、糸谷八段が公式戦で指した糸谷流右玉の紹介でした。
ほかにもあれば情報お待ちしております。
なお、糸谷流右玉は、糸谷八段が奨励会時代に編み出したとされ、将棋倶楽部24でも、I-houshinの名で右玉をたくさん指していたという。
I-houshinの棋譜も機会があれば紹介したい。