2020年11月4日に行われた王位戦予選で、後手番の澤田真吾七段が右玉を採用してくれたので紹介したい。
澤田真吾七段は居飛車党の若手棋士。角換わりを得意としており、右玉の採用も時々ある。本年度10月14日、竜王ランキング戦1組昇級を決め、七段へ昇段した。
対する先手は豊川孝弘七段。将棋ファンにとってはオヤジギャクの達人度して知られている。右玉党としては、スリル&ロマン 対振り飛車右玉の著者としてお馴染みだろう。。
棋譜はスマホアプリ「日本将棋連盟モバイル」で観戦できるのでそちらでどうぞ。
※王位戦の棋譜利用は有料のため、以下簡易紹介でお届けします。
角換わり右玉から中住まいへ
序盤は手損のない角換わりから先手は腰掛け銀で4筋の位を取る作戦。後手は一度左に行った玉を右に引っ越しさせて、42手目で右玉となった。
その後、後手は手待ち模様、先手は銀冠に組み替えた瞬間に後手は右玉を捨てて中住まいに変化した。中住まいにした時点での形勢は互角。
先手地下鉄飛車
先手は地下鉄飛車。中住まいにしているとはいえ、ゆっくりとはできない。
79手目▲9三歩打あたりからやや形勢は後手寄りに。後手は先手の攻めに対して丁寧に挨拶をしつつ差を付けていく。
最終盤、▲8三歩成としたところで先手玉に詰み発生。澤田七段は読み切っており、先手が3手詰みまで指して投了となった。
以上、本局で右玉だった瞬間はわずかだったが、中住まいへ組み替えるタイミングは見事。対地下鉄飛車の指し回しも参考になるだろう。
というわけで、右玉NOWは今後も澤田真吾七段を応援します!