先週末に開催され、GCTの優勝に終わった世界将棋AI電竜戦。
今回は電竜戦で指された右玉の中から、名人コブラの右玉を紹介したい。
先手はNovice with Neural Networks。作者は熊谷啓孝さん、矢内洋祐さん、幅野莞佑さん、笹井雄貴さん、堀越将司さん、中屋敷太一さん(第1回世界将棋AI 電竜戦 参加者一覧より)。ディープラーニング系で第29回世界コンピュータ将棋世界選手権10位。独創賞も受賞している。
後手は名人コブラ。作者は松山洋章さん。やねうら王系で第29回世界コンピュータ将棋世界選手権では決勝に進んで8位、第28回は4位の強豪。大会後に使用した評価関数と定跡を公開されている。
※ShogiGUIなどで利用するには別途探索部が必要。
本譜は角換わりの将棋から右玉 vs 銀矢倉という展開となった。
棋譜は以下からどうぞ
電竜戦初日 9回戦☗Novice with Neural Networks-☖名人コブラ
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角換わり右玉 vs 銀矢倉の出だし
角換わりの将棋から、後手は9筋の突き越しが入ったこともあり、いったん左に行った玉を右に。対する先手は対右玉として有力な銀矢倉の構え。
右玉に組んだ時点でNoviceは互角、名人コブラはやや有利と考えているようだ。
後手の好手△3九角
66手目△3九角打がおそらくNoviceが軽視していた好手。この手を見てNoviceも後手有利と認識したようだ。
先手として対応に難しい角打ちで、▲3七金で受かりそうだが、△3六歩、▲同飛、△2八角成がある(以下変化図)。
こうなると後手がはっきり良いので、本譜は▲4九金から△4五角成。
▲6八金で馬は捕まるが、形を大きく乱すことに成功した。
名人コブラ、着実にリードを広げる
少し進んで、8筋の継ぎ歩をしたあとに△4九角打。こちらも捕まえにくい。
後手は銀をとったあとに△7五歩。△7四歩が入れば、4九の角がいるので▲同銀と取れない。
名人コブラ、快勝!
終盤、先手は角を犠牲にして▲7三桂成として攻める。
後手は銀取りを放置して△6九角打!
先手は銀取るが、△5八角成が△7七金打からの詰めろで勝負あったか。
以降、先手が攻めるが着実に逃げて後手の名人コブラの勝ちとなった。
以上、角打ちの好手が出た名人コブラの右玉でした。
右玉NOWは今後も名人コブラを応援します!
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【ソフトの右玉】世界将棋AI電竜戦より名人コブラの右玉!