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竜王戦6組ランキング戦で伊藤沙恵女流三段が角交換なしの右玉で勝利!(局面図なし簡易紹介)

プロの右玉

2020年12月5日に行われた竜王戦6組ランキング戦で、後手番の伊藤沙恵女流三段が角交換なしの風車右玉を採用してくれたので紹介したい。

伊藤沙恵女流三段は、タイトル獲得こそないが、女流タイトル7回登場を誇るトップ棋士。棋風は攻め将棋。右玉を採用することもあるが、その場合でも積極的に攻めることが多い。本譜も後手右玉ながら仕掛けていく将棋となった。

対する先手は小野内一八アマ。2019年の第32回アマチュア竜王戦で優勝し、前期の竜王戦6組トーナメントにも登場(勝又清和七段に負け)。今期のアマチュア竜王戦は中止となったが、おそらく前期の成績によって出場権を獲得している。

棋譜はスマホアプリ「日本将棋連盟モバイル」で観戦できるのでそちらでどうぞ。

※竜王戦の棋譜利用は個人には高額なため、以下、局面図なしで簡単に紹介します。
棋譜利用については、将棋「棋譜利用に関するお願い」の現在も参考にしてください。

矢倉 vs 風車右玉

先手は矢倉、後手は風車右玉。後手の伊藤女流は1筋、6筋と積極的に仕掛けていく。
55手目の局面では、△7七角成とぶった切って、△6五桂とふんどしの桂にする手順もあったようだ。しかし、後手が誘っているような雰囲気もあったのか、見送ることに。ソフト評価を見る限りは成立しているようだ。
67手の局面は後手大チャンス。△6五桂、▲同桂、△9九角成なら後手優勢だった。

先手、歩の好手連発でリードを奪う

83手目からはじまる小野内アマの手順は見事。歩の好手を連発して後手陣を乱して、リードを奪っていく。
ただ、97手目に飛車を取った手が自然に見えてやや疑問だったかもしれない。3七にいた銀を逃げたほうが良かったようだ。

後手の攻めが炸裂

103手目▲2四歩は緩手。形勢は互角に戻り、ここから後手の猛攻が始まる。
正確な攻めで、一気に先手陣を受けなしに追い込む。あとは後手が詰むかどうかで、王手は長く続くが伊藤女流三段は読み切り。132手目を見て先手投了となった。

というわけで、右玉を採用した伊藤沙恵女流三段の勝利。積極的な攻めは右玉党にとって参考になるので、ぜひ並べてみてほしい。

右玉NOWは今後も伊藤沙恵女流三段を応援します!

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