2020年12月8日に行われた竜王戦ランキング3組千葉幸生七段-高見泰地七段の対局は22時を過ぎて千日手に! その後行われた指し直し局で後手番となった千葉幸生七段が右玉を採用してくれたので紹介したい。
千葉幸生七段は居飛車党のベテラン棋士で、奥様は千葉涼子女流四段。かつては振り飛車党だったが、完全に居飛車党へ転向している。
対する先手は高見泰地七段。初代叡王の実力者で、完全な居飛車党だ。
棋譜はスマホアプリ「日本将棋連盟モバイル」で観戦できるのでそちらでどうぞ。
※竜王戦の棋譜利用は個人には高額なため、以下、局面図なしで簡単に紹介します。
棋譜利用については、将棋「棋譜利用に関するお願い」の現在も参考にしてください。
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矢倉模様 vs 右玉へ
序盤、先手は矢倉模様、後手は△4三銀型の右玉へ。千日手指し直し局にもかかわらず、千日手の可能性も高い右玉を選ぶのは素晴らしい。
41手目▲5七角は右玉にとって危険な手で、放置すると端攻めが決まってしまう。というわけで、後手は飛車を浮いて受ける。
後手、右玉を捨てて中央に厚みを作る
中盤、後手は右玉を捨てて左へ。そして、中央へ厚みを築く。69手目時点ではわずかに後手よしなので、後手作戦勝ちといってもよいかもしれない。ただし、まとめきるのは非常に難解そうな配置だ。
岐路は77手目4六桂打の局面。ここで、△5六歩ならまだ互角以上を維持できたかもしれないが、難解な手だ。形勢は徐々に先手へ。
先手寄せ切る
有利になってから高見七段の指し回しは正確。後手にチャンスはなかったかもしれない。最後の角切りからの寄せも見事だった。
というわけで、深夜の戦いは右玉負けとなってしまったが、中盤までは互角以上の戦いだった。
右玉NOWは今後も千葉幸生七段を応援します!