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順位戦A級の大舞台で斎藤慎太郎八段が角換わり右玉! (局面図なし簡易紹介)

プロの右玉

2020年12月9日に行われた順位戦A組の対局で、後手番の斎藤慎太郎八段が右玉を採用してくれたので紹介したい。

斎藤慎太郎八段はここまでA級無敗。名人への道を突き進んでいる。本局はいうまでもなく大事な一局。

対する先手は豊島将之竜王。羽生善治九段の挑戦を退けて竜王位を防衛。意外ではあるが、これが豊島竜王の初防衛となった。

棋譜は名人戦棋譜速報(有料)、もしくはスマホアプリ「日本将棋連盟モバイル」で観戦できるのでそちらからもどうぞ。

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[情報LIVE]第79期 順位戦 A級第5回戦 豊島将之竜王 対 斎藤慎太郎八段
ABEMAプレミアムならコメント付きで視聴可能です。

※順位戦の棋譜・局面図使用は対局2ヶ月後からとなっておりますので、以下は局面図なしの簡易紹介です

角換わり右玉 vs 銀矢倉へ

序盤は角換わりから、先手は▲4五桂を見据えた駒組み。後手も左へ玉を囲う。
先手が腰掛け銀にしたのを見てから、後手は右玉へ。先手は対右玉の本流でもある銀矢倉へと進める。

右玉から仕掛ける

先手は6七の銀を4七の位置へ組み換え。その瞬間に後手は△6五桂から仕掛ける。
先手が金冠の形になったあとは再び駒組みに。
先手が地下鉄飛車の構想を見せた瞬間に、右玉は危険な位置を捨てて玉を5三の空中要塞へ移動させる。これも右玉の手筋の一つだ。

右玉有利から竜王の勝負手

中盤は、薄い右玉へ先手が猛攻を仕掛けるが、斎藤八段も決め手を与えない。
玉周りは寒いことになったが、先手の持駒も角と銀だけ。形勢は右玉有利に。

91手目、先手は▲5四銀。この局面が一つの分岐点になったかもしれない。
取ると王手飛車がかかる手だが、取っても戦えそう。逃げる手もある。
非常に難解な選択だが、ソフトの正着は逃げる方だったらしい。▲7五歩から怖い局面が続くが、耐えているようだ。
本譜は、王手飛車をかけさせる手を選択し、互角からわずかに先手良しとなった。

先手、抜け出す

終盤を迎えても形勢は互角。さすがはA級順位戦の戦い。
100手目の△8四角が、ソフトによると緩手。流れが先手へ傾いていった。

それでも決め手を与えず、先手玉に迫る後手。最終盤もソフト的には大差だが、素人目にはどちらが勝っているかわからず、アマ同士ならいつひっくり返ってもおかしくない局面が続く。
しかし、豊島竜王の指しても正確で、後手は寄せきれず投了となった。

以上、A級順位戦という大舞台、しかも名人への挑戦権争いのトップに居る斎藤八段が右玉を採用してくれたことは素晴らしい。中終盤まで互角の名局と言えるだろう。

というわけで、右玉NOWは今後も斎藤慎太郎八段を応援します!

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