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嬉野流と右玉の戦い

対嬉野流

嬉野流という戦法がある。初手6八銀(4二銀)という変則的な出だしが特徴的で、アマ強豪の嬉野宏明氏が発案し、早逝した元奨励会員天野貴元三段が「奇襲研究所 ~嬉野流編~」で広めた戦法である。

以下が嬉野流基本図。

  

ネット将棋を指しているとたまに見かけるほか、プロ棋戦でも採用されたことがある有力な戦法のひとつだ。
相手の出方によって、居飛車にも振り飛車にもなるという戦法。

嬉野流の特徴は8筋の歩交換のあと、8八歩と低く受けることだったが、最近は嬉野流対策も登場しており、8七歩と先手で受けることが多いようだ。

棒銀に弱そうにも見えるが、嬉野流側にも対策があるので、簡単にはうまくいかない。

  

しゃがんで受けるのが、従来の嬉野流。ここで8七歩打で先手を取るのは新嬉野流というらしい。

嬉野流対策としては、これで万全! 奇襲破り事典で紹介されているものが参考になる。

嬉野流には8筋を伸ばしたい

嬉野流に対する過去の棋譜を見て、個人的に思うのは8筋は伸ばしておきたいということ。
相手の速攻にも反撃しやすい。

  

嬉野流の6二銀に対しては、8四歩がおすすめだ。

  

飛車先交換。これですぐによくなるわけではないが、8筋は突いてOK。ソフト的に評価値は後手に+200ほどで悪くない。

  

金でしっかり受けてきた場合は、飛車先交換ではなく、7四歩や3二金、7二銀などがソフトで評価が高い。

ありがちな対嬉野流失敗例

続いて嬉野流側が成功してしまう例と、その対策方法を考えてみる。

  

嬉野流側は、左銀を繰り出して銀交換しつつ、4八銀で王手飛車の筋を消して攻撃。
右玉はこの3四歩打が悪手で、2四歩から捌かれて面白くない。
3四歩の代わりに8六歩から逆襲していれば、互角だった。

嬉野流 vs 右玉の実戦例

最後にミギーの実戦から。

  

先手右玉 vs 後手嬉野流から。後手が一直線で攻めてきた局面。ここで同歩は攻めを加速してしまうので×。

  

6五歩と突くのが手筋の一着。実戦は7六歩としてきたが、悪手だった。

  

4四角! と角を切って同歩、6四歩で角と銀2枚の2枚換えに成功。
これは明らかに先手よし。

以上、簡単に嬉野流と右玉の対策を紹介した。
が、今回はさわり程度だったので、今後も嬉野流対策は考えていきたい。

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