2021年3月25日に行われた王座戦二次予選で、後手番の郷田真隆九段が右玉を採用してくれたので紹介したい。
郷田真隆九段は羽生世代の超強豪で、タイトル獲得は6期。居飛車本格派で、数は多くないが右玉を採用することもある。若い頃のイケメンぶりでも有名。
対する先手は三枚堂達也七段。若手の実力者で角換わりが得意。Twitterはこちら。
棋譜はスマホアプリ「日本将棋連盟モバイル」で観戦できるのでそちらでどうぞ。
角換わり拒否の出だしから7二金型右玉へ
序盤は先手が角換わりを拒否。先手早繰り銀、後手の6筋のちょっかいなどもありつつ、後手は7二金型右玉へ。先手は居飛車のまま戦うことになる。
この後、結局角交換となり、先手は対右玉の定跡▲1八角を放つ展開となった。
ここから
後手の▲1八角の受け方は右玉党にとって参考になるだろう。
△3六歩で▲同角と取らせて、△3五歩。▲2七角に△3六角打(上図)でブロックに成功した。ここで先手の最善手は▲4八金だったが、本譜は▲3七角で右玉有利の展開となった。
右玉リードの展開
本局は攻め合いになるが、右玉リードの展開に。以下の局面は、後手優勢。
後手玉は▲6一角成などからの詰めろ。先手玉は詰めろではなく、正確な指し回しが必要だ。
△同銀は▲同角成があり、△同金だと詰んでしまうため選びにくい。しかし、△6二桂打で受かっており、結果的にはこちらがよかったかもしれない。
一方、ソフトの候補手は△4九金!
金を捨てる手なので読みが入っていないと指せない。
以下、▲同玉に△2七角打、▲3八歩打を入れてから△6三銀。▲同角成に、△同角成と取れるという寸法だ(以下変化図)。
この局面は後手優勢。
本譜は△6二金打としたために互角の形勢。以下、詰めろがほどける展開にならず、難解な展開から先手の指し回しが正確で逆転となってしまった。
というわけで、右玉側の負けとなったが終盤までは優勢な展開だった。
右玉NOWは今後も郷田真隆九段を応援します!