2021年4月7日に行われた棋王戦予選 八代弥七段 vs 伊藤匠四段で、後手番の伊藤四段段が右玉を採用してくれたので紹介したい。
伊藤匠四段は17歳でプロ入りした天才棋士。現在18歳で藤井聡太二冠と同学年だが、藤井二冠よりも遅生まれなので最年少棋士でもある。
先手の八代弥七段も18歳で棋士になった俊英で、現在27歳の若手。朝日杯将棋オープン戦の優勝経験がある。
棋譜はスマホアプリ「日本将棋連盟モバイル」から観戦可能です。
※棋王戦は恐らく棋譜利用の許可が降りないので、以下簡易紹介です
後手右玉、積極的に攻める
序盤は先手が早繰り銀、後手が右玉。後手は先手の玉が不安定なうちに積極的な仕掛け。これが功を奏して序盤からリードを広げていく。さらに2筋を手抜いて、角を取り、中盤をすっ飛ばして終盤に突入することになった。
妙手連発で寄せ切る
87手目の局面は先手が端歩を受けたところ。先手玉に詰めろをかけたいが、難しそう。
△2九馬と桂馬を取っても価値だったようだが、ここで妙手が出た。棋譜を見られる人はぜひ87手目の局面で考えてみてほしい。
後手は△5七馬とタダのところに飛び出る手を選択。取ると△7七銀からバラして詰みなので取れない。
後手は▲6九桂で我慢するが、94手目にまたも妙手の龍切り! この手が決め手になって後手勝ちとなった。
というわけで、後手番の右玉ながら積極的に攻め、最後は妙手連発で勝利。伊藤四段の快勝譜と言ってよいだろう。右玉党はぜひ、並べてみてほしい。
右玉NOWは、今後も伊藤匠四段を応援します!