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佐藤天彦九段、竜王戦で四間飛車からの右玉を採用! 地下鉄飛車への顔面受けから玉の大移動と右玉らしい一局に(局面図なし簡易紹介)

プロの右玉

2021年4月30日に行われた竜王戦1組トーナメントで、後手番の佐藤天彦九段が右玉を採用してくれたので紹介したい。

佐藤天彦九段は貴族の愛称でも人気の元名人の実力者。居飛車党寄りのオールラウンダーで、あらゆる戦型を指す。右玉の採用も過去にある。

対する先手は佐々木勇気七段。ジュネーヴ生まれの居飛車党。中学生棋士の可能性もあった俊英で、藤井聡太二冠の連勝記録を止めたことでも有名だ。

本譜は、後手が四間飛車から右玉へと変化、先手は地下鉄飛車を見せるといった戦いとなった。

棋譜はスマホアプリ「日本将棋連盟モバイル」で観戦できるのでそちらでどうぞ。

竜王戦は棋譜利用が有料のため、以下は、簡易紹介です。

後手、四間飛車から右玉へ

先手の作戦は四間飛車。ただし、△6三銀を先に入れた後に4筋に降っているので、一般的な四間飛車とは異なり、この時点で右玉の可能性も考えられた。
先手は早繰り銀を見せつつ、雁木模様に。
42手目、飛車を引いて後手は右玉の形となった。

先手の地下鉄飛車に顔面受け

先手の構想は対右玉で有力な作戦である地下鉄飛車。右玉側の受けもいろいろあるが、本局は玉の顔面受けとなった。こうなると、端から一気に攻め潰すのは難しい。が、後手も怖いところだ。
開戦はお互いの玉から遠い右の端歩から。右玉は玉周りが薄くなり怖いところだが、94手目時点では後手有利な状況となった。

先手逆転も、後手は決め手を与えず

終盤、後手玉の周囲は火が付き、ギリギリの状況。116手目にはソフト評価的には逆転。しかし、ここから佐藤九段は決め手を与えず、右玉の広さを生かした粘りに出る。右玉党に参考になる指し回しだ。
先手は135手目が痛恨の一着。後手は入玉を果たした。
それでも、佐々木七段の粘りで緊迫した戦いが続くが、193手目に先手投了。佐藤天彦九段の勝利となった。

というわけで、四間飛車からの右玉、顔面受けから広さで逃げて入玉を果たすという、盛りだくさんの一局でした。
右玉NOWは今後も佐藤天彦九段を応援します!

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