2021年6月5日に放映された第4回ABEMAトーナメントで、チームの木村の佐々木勇気七段が先手右玉を採用してくれたので紹介したい。
※本日放映のNHK杯将棋トーナメントも右玉でしたが、NHK杯は棋譜利用の許諾が降りてから紹介させていただきます!
佐々木勇気七段は16歳でプロ入りした若手棋士。最近では藤井聡太七段の連勝記録を止めたことでも有名。
対する後手はチーム羽生の中村太地七段。タイトル経験もある強豪で、YouTuberとしても人気。最近では、羽生九段がYouTube初出演して話題となった。
第4回ABEMAトーナメント 予選Cリーグ 第三試合<チーム羽生VSチーム木村>
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【公式:将棋✕AI】[予選C-3第3局]中村太地七段が3連続対局で全勝!相掛かり│第4回ABEMAトーナメント
袖飛車 vs 変則右玉に
先手の作戦は袖飛車。プロ棋戦ではやや珍しいかもしれない。
先手は矢倉を組むが、入場しているのは角。玉は右に行くという変則型となった。先手失敗な形にも見えるが、ソフト評価値は先手持ち。後手の攻めはやや無理があるようだ。
先手、後手の誘いに乗る
44手目△3四歩。飛車の横利きが一瞬消えるので、後手の誘いにも見えるが▲1五歩と突きたくなる。
ただし、ソフトの候補手は▲6五歩や▲5五歩。
本譜は▲1五歩で、誘いに乗る形となった。
△同歩、▲同香に、角は逃げず△3五歩!
この手が好手。飛車の横利きを広げることで、飛車の成り込みを止めにくい。
▲1三香、△同香、▲4五歩、△1四飛と進み、後手優勢。先手陣は飛車に弱い形。
この後、飛車の成り込みが実現し、先手陣は防戦一方となってしまった。
というわけで、後手の中村七段の勝負術が功を奏し、先手右玉は負け。中盤までは先手は変則型ながら優位に立っており、対袖飛車に苦戦している右玉党は参考になるだろう。
というわけで、右玉NOWは今後も佐々木勇気七段とAbemaTV将棋トーナメントを応援します!