2021年6月26日に放映された第4回ABEMAトーナメントで、チーム広瀬の丸山忠久九段が後手右玉を採用してくれたので紹介したい。
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丸山忠久九段は羽生世代の強豪で名人経験者。カロリーメイト好きでもお馴染み。一手損角換わりのスペシャリストで、本局も一手損角換わりとなった。
対する先手は屋敷伸之九段。18歳でタイトルを獲得し、藤井聡太二冠に破られるまでは最年少記録だった。本局は第一局に続く連闘。
第4回ABEMAトーナメント 予選Dリーグ 第三試合<チーム永瀬VSチーム広瀬>
※ABEMAプレミアムでしか視聴できません
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【公式:将棋✕AI】[予選D-3第2局]穴熊VS右玉、屋敷九段が2連勝!角換わり│第4回ABEMAトーナメント
伝家の宝刀・丸山九段の一手損角換わり
丸山九段の作戦は一手損角換わり。長年愛用している得意作戦だ。
対一手損角換わりには早繰り銀で対抗することが多いが、本局はじっくりとした戦いとなった。
後手は手待ち模様から右玉へ。評価値も互角で、後手作戦勝ちといえるだろう。
右玉優勢に
64手目、後手は桂頭を攻める。先手は▲4七角で受けたがやや緩手だったか。
ソフトの読みは、堂々と▲同歩。
△3六歩が気になるところだが、後手は歩切れがきつい。
ここから形勢は後手よりになっていった。
後手、チャンスを逃す
89手目の局面。
後手は△8五歩の継ぎ歩だったが、ここで△9五歩と端に手を付けるのが良かったようだ。
後手は96手目で端に手をつけるが、局面は互角に。
先手の攻めが決まる
105手目、先手は▲6三角成の強襲。この手が好手だった。
この手の対応が意外と難しく、△同金は▲5二飛成を許すので危険なようで、この手なら互角だったようだ。本譜は強く△同玉だったが、先手優勢に。
少し進んで先手は▲1八角。このラインは右玉にとって常に脅威。金2枚で守っているが、穴熊も堅く先手勝勢。
127手目に飛車の成り込みが実現して後手投了となった。
というわけで、後手逆転負けとなってしまったが、一手損角換わりからの組み立てはさすが丸山九段という感じの一局でした。
右玉NOWは今後も丸山忠久九段を応援します!