2021年7月20日に行われた王座戦の挑戦者決定戦で、後手番の佐藤康光会長が右玉を採用してくれたので紹介したい。
佐藤康光九段は、羽生世代の強豪で現将棋連盟会長。タイトル獲得は13期で、51歳ながらA級に在位するトップ棋士だ。独創的な序盤戦術に定評があり、右玉の採用も多め。
対するのは木村一基九段。23歳でプロ入り、46歳で初タイトルを獲得した遅咲きの実力派。軽快な解説でも人気だ。
本譜は角交換なしの右玉となった。
棋譜は、スマホアプリ「日本将棋連盟モバイル」からどうぞ。
先手は右玉、後手は変則的な形に
先手の作戦は右玉。後手はかなり変則的な形。お互いに飛車先の切り、後手は59手目にして二段目に駒がいなくなるという厚みのある形にとなった。
先手、強引に手を作る
60手目の局面。後手陣にスキはなく、作戦勝ちに見える形。ここから先手は無理やり手を作っていく。
79手進んだ局面。形勢はまだ後手よりだが、強引に手を作りきってしまった。手順は棋譜で確認してみてほしい。
後手、寄せ切る
109手目の局面。なんとこの局面、先手玉に詰みがある。緩むと一気に負けてしまう怖い局面だが、木村九段は、正着の△4五桂打!を放つ。
以下、即詰みルートに入るが、最後は即詰みは選ばずも後手勝ち。
王座戦は木村一基九段が挑戦することとなった。
残念ながら右玉側が負けてしまったが、ミギーは木村一基九段のファンであるので、王座戦は楽しみである。
というわけで、右玉NOWは佐藤会長と木村九段を今度も応援します!