対嬉野流の対局から。右玉側が後手ですが、先後反転してありますので先手として見てください。
局面は嬉野流側が端攻めを絡めて8筋を突破したところ。
△8七銀成としたが、この手は悪手。盤上この一手ともいえる一手がある。
素直に△7八成銀は当然ながら許せない。
やってしまいそうな手
まずは実戦では指してしまいそうな不正解の手から。
▲8三歩の叩き。筋ではあるが、歩が3枚では足りない。
△同歩▲8四歩に▲7五角。
▲7五銀もあるが、まずはこちらからみていこう。
この場合、後手は△8五飛と交わす。
▲7四銀で成功、に見えるが、△7五飛! でばっさり飛車を切られてしまう。
▲同歩△7八成銀の局面は後手勝勢だ。
▲7五角に変えて、▲7五銀は?
これは△8二飛と引かれて無条件では飛車先を止められない。
▲7九金とするくらいだが、△9七成銀▲同香△8七飛成と強引に飛車先突破を図ってこられて後手有利な局面となる。
正解手
正解は、▲8四歩!
飛車取りの先手を取ってないので指しにくいかもしれない。この手が読めれば素晴らしい。
△同飛は今度こそ歩の数が足りて飛車先を押さえられるので、勝勢。
後手の最善手は△7八成銀だが……。
▲8三銀で飛車が死ぬ。
△同飛▲同歩成とした局面は以下。
飛車と金銀の2枚換えだが、と金が残り、後手陣は不安定。
進行の一例は、△6八金打▲7二と△同金▲6一飛△5一銀打▲8一飛成△7一金▲9一龍△5八金▲同銀△6八成銀▲4九金。
以上、右玉次の一手でした。
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