2021年8月27日に行われた竜王戦6組昇級者決定戦で後手番の渡辺和史四段が右玉を採用してくれたので紹介したい。
渡辺和史四段はプロ入りが24歳とやや遅咲きながら三段リーグ勝利最多タイ記録でプロ入りを果たしている。純粋な居飛車党で主要戦法は矢倉と角換わり。Tiwtterはこちら。
対する先手は佐々木大地五段。レーティング上位の実力者ながら、順位戦と竜王戦ではなぜか振るわず昇級がないことが将棋界の謎の一つ。右玉の採用が多い棋士だが、本局は対右玉となった。
本譜は相掛かりから先手が中住まい、後手が右玉となった。
棋譜はスマホアプリ「日本将棋連盟モバイル」で観戦できるのでそちらでどうぞ。
竜王戦は棋譜利用が有料のため、以下は、簡易紹介です。
先手、相掛かりから3筋の位を取る
本譜の出だしは相掛かり。3筋の位を取って角道を開けさせないという最近よく見る流れに。後手は雁木模様から銀を4四に繰り出し、端角も絡める変わった形に。
先手は中住まい、後手は46手目にして右玉へ。50手目に地下鉄飛車にして完成形となった。形勢は互角。
先手、猛攻を仕掛けるも後手がうまく凌ぐ
51手目の端攻めから先手が仕掛ける。後手は先手の攻めをうまくしのぎ、108手目の時点でも互角という好局に。お互い玉が不安定であるものの、攻め駒が足りていないという展開だ。
佐々木五段、華麗に詰めあげる
136手目の局面。後手玉に19手詰みが発生。しかし、かなり難解だ。
腕に覚えがある人はぜひチャレンジしてみてほしい。
佐々木五段は見事に詰めあげて勝利。先手勝ちとなった。
というわけで、右玉は負けてしまったが中盤までは互角。チャンスもあったかもしれない。
2筋の攻めをうまくいなす手順は右玉党にも参考になるだろう。
というわけで、右玉NOWは今後も渡辺和史四段を応援します!