前回紹介したたややんさんの棋譜ファイルから次の一手を紹介したい。
最先端の将棋に右玉が頻出! たややんさんの水匠6vs水匠5棋譜ファイル(WCSC32に向けた勝率計測その2)から右玉を抽出する
水匠作者のたややんさんが、一般未公開の水匠6と水匠5の棋譜ファイルを公開してくれました! WCSC32に向けた勝率計測その2(平手初期局面、1手1500万ノード、512手Draw)2022/02/17水匠6/YO7.00kai vs 水匠5...
すべて後手右玉が勝った対局からの出題で、見やすいように先後反転してある。
なので、実際は後手だが、以下は右玉側が先手というに話を進める。
なお、創作次の一手のような目の覚める一手ではなく、個人的に「おぉ!」と思った一手なので、そのつもりで考えてみてほしい。すぐに答えを見てもいいと思う。
また、あくまでも水匠が指した手を正解しているので、実際はもっと良い手があるかもしれない。水匠も時間をかければ別の手にする可能性もある。
第一問 かなり見えにくい一手
激しく駒が当たっている上級者同士ぽい局面。
飛車を取りつつ逃げ道を防ぐ▲7ニ歩成や▲8五飛などがありそうな雰囲気だが、水匠6の手は全然違った。水匠5もこの手が候補なようだ。
正解手
正解は▲2四桂打!
△同歩は▲同角と当たりになっている角が急所に飛び出す。
自陣はまだ大丈夫そう。
本譜もこの順で、後手は飛車を逃げる展開となった。
放置して△4六歩は▲3ニ桂成から王手を決めていって、最後に▲7ニ歩成にする展開になって先手良し。
第二問 水匠高速の寄せ
続いても後手右玉で見やすいように先後反転済み。
▲2二歩成の一手に見えるが、もっといい手がある。
……と言われればわかるかもしれないが、実戦では指せそうもない。
正解手
正解は▲4一金打!
上級者は読めたかもしれない。
△同銀は詰みなので、▲同金の一手。
一応だが、馬が効いているので△同玉はできない。
▲同金としたのは逃げ道封鎖というわけではなく、進めればわかる。
▲2二歩成△同玉▲2三歩打△同銀に▲4一馬!
これで先手優勢。自陣まだ大丈夫。
第三問 右玉の新手筋?
角換わり右玉から後手(実際は先手だが)が銀取りにしたところ。
実戦なら▲8七銀か▲8七金か迷って▲8七銀にしそう。しかし、水匠の考えは全然違った。
動画版をぜひどうぞ。
正解手
正解は▲9七角!
銀タダやん? という感じだが、これでも互角なのが恐ろしい。
△7六飛と銀を取ると飛車が捕まるのだ。
▲7七金△9六飛▲8八角!
上図の通り、飛車の逃げ場がない。ただ、後手には△8七歩打があるので、飛車と角銀交換になる。
△8七歩打▲9六香△8八歩成▲6一飛。
これで互角の局面。
相手は読みそうもないので、新しい右玉の手筋としても良いかもしれない。
(よくある手順で自分が知らないだけだったらすいません)
以上、次の一手3問でした。