2022年5月3日(火)~5日(木)、第32回世界コンピュータ将棋選手権(WCSC32)が開催され、dlshogi with HEROZの優勝で幕を閉じました。優勝されたdlshogi with HEROZの関係者の皆様、おめでとうございます。
また、WCSC32主催者の皆様、お疲れ様でした。
本大会は水匠がまさかの二次選敗退という超ハイレベル。優勝と準優勝はディープラーニング(DL)勢で、DLの優秀さを披露する一方、NNUE勢のやねうら王も3位に入り、DLとNNUEの戦いはまだ続きそうな感じでしょうか。
右玉NOWとしては、右玉の対局がどれだけあったということが気になります。
調査した結果、279局中7局が右玉風味に。
1回戦の2局は結果的に右玉でやや変則的なため、正確には5局だと思われます。
ただ、その5局は右玉の4勝1分。すべて後手番と考えると、先手有利とされるAI将棋の結果としてはかなり優秀ではないでしょうか?
というわけで、右玉の対局を簡単に紹介します。
今後詳しく紹介するかもしれません。
二次予選 1回戦 Novice – Miacis
二次予選 1回戦 Novice – Miacis
相掛かりの出だしから後手が右玉にするという、一時期プロ棋戦でもよく出現した形。後手は△3四歩と指しにくい手を指すことが特徴。プロ棋戦では右玉側が苦戦していたが、ソフト同士なら後手も戦えるイメージで、本局は後手の右玉勝ち。
二次予選 2回戦 マメット・ブンブク – やねうら王
二次予選 2回戦 マメット・ブンブク – やねうら王
後手のやねうら王は一度矢倉に入城してからの右玉への組み換え。
相入玉となり、右玉側の宣言勝ち。やねうら王は本局定跡なしだそうです。
二次予選 3回戦 Sin-Daigorilla – Apery
二次予選 3回戦 Sin-Daigorilla – Apery
Aperyの後手右玉。仕掛けてから早めに玉を逃がす作戦。
結果は右玉勝ち。
二次予選 4回戦 白ビール – 二番絞り
二次予選 4回戦 白ビール – 二番絞り
二番絞りの後手雁木右玉。アマ同士の対局でも出てきそう。
結果は右玉勝ち。
決勝 6回戦 二番絞り – やねうら王
決勝 6回戦 二番絞り – やねうら王
決勝リーグ唯一の右玉。角換わり腰掛け銀に対して後手のやねうら王が右玉に。結果は千日手。ソフトトップクラスの対局で千日手は後手にとって勝ちに近い結果だろう。
やねうら王さんのブログも合わせてどうぞ
第32回世界コンピュータ将棋選手権 決勝
千日手成立。二番絞りは残り時間が少ないこともあって千日手打開できないっぽいですね。やねうら王のほうは、わりと簡単に千日手手順を選んでしまうので(千日手スコアを-1に設定しているので)、こうなるんじゃないかと思っていました。(本大会で、やねうら王がこんな感じの千日手にした対局が少ないのが逆に意外で)
おまけ
Fireworks@三間飛車のひとくちメモさんが以下のようなつぶやきをされていました。
一次予選 8回戦 prelude – 東横将棋
面白い形ですね。こいなぎ流左玉とも言うでしょうか?
以上です!
右玉NOWは今後も世界コンピュータ将棋選手権を応援します!