サンデーで絶賛連載中の将棋マンガ「龍と苺」で興味深い局面があったので紹介したい。
龍と苺といえば、右玉が何度も出てくる右玉党御用達マンガなわけだが、今回は右玉は関係ない。
以下はネタバレがあり、サンデーうぇぶりで最新話を無料で見られるので、まずは見てほしい。
119. 第119話 違和感 / 龍と苺 – 柳本光晴 | サンデーうぇぶり
※無料には期限があります。
というわけで、最初の局面は以下。
先手苺の手番。本編では1%と99%で後手勝勢とのことだが、水匠5に読ませると▲6二歩打で逆に先手優勢。
苺の指した手は▲7六角成!
評価値は互角に。後手の候補手は△3六桂と△3五銀打と△8七龍。
後手は△3六桂! 控室はザワつくが最善手。
作中では宣言法を看破して指したとされるが、どうなのか。
作中でも紹介されているが、宣言法についてちょっとだけ解説したい。
以下はWikpedia – 入玉からの引用。
宣言する者の玉が入玉している(敵陣3段目以内に入っている)。
宣言する者の敵陣3段目以内にいる駒は、玉を除いて10枚以上である。
宣言する者の玉に王手がかかっていない。
宣言する者の「敵陣3段目以内にいる自分の側の駒」と「持ち駒」を対象として、
前述の「点数計算」を行なったとき、点数が24点以上ある。
「入玉宣言法」での「点数計算」では、計算対象の駒が「合意による持将棋」の場合とは異なり、
「敵陣3段目以内に入っていない盤上の駒」を含めない。
対局手数が500手未満である(500手以降の場合は「別の規定」が適用される)。
重要なのは、『「敵陣3段目以内に入っていない盤上の駒」を含めない。』
作中でもちゃんと解説されている。
上の局面では3段目のコマが7個で7点、持ち駒が5点×1+9点で14点。つまりは21点しかない。
ただ、苺は「今29点」と考えている。
3段目にないコマ(8点分)を間違って計算に入れてしまっているようだ。これは大丈夫だろうか?
そして次の一手……。
さらっと▲同馬。
え?
馬の利きがそれたので、△7三金から▲同歩成△同龍の3手詰めじゃない? 自分が勘違いしてる?
作中は△9八龍。3手詰見逃し?
ともあれ、詰みの見逃しは置いておいて、宣言法はどうなるのだろうか?
宣言法の計算を間違えていて負けるオチ? それともなんとか31点を達成するのだろうか? 形勢的には最終的に先手が良さそう。
というわけで、次回に超期待したい!