角交換型右玉と腰掛け銀 次の一手

右玉次の一手

前回のエントリで角交換型右玉と腰掛け銀のソフト対局を紹介した。

角交換型右玉と腰掛け銀のソフト研究 その1
以下のテーマ図は、右玉 vs 腰掛け銀の対局で頻出する局面。 手番は先手の腰掛け銀。ソフトで検討しても数値はほぼ互角だ。 そこで、「dolphin/illqha1.1」を使い、10秒将棋で60局ほど対局させてみた。 「dolphin/illqha1.1」については、以下のエントリを参考にしてほしい。

この中で意外な手、覚えておきたい手筋などが発生した局面を右玉次の一手として紹介したい。
なお、作れられた次の一手のように、目のさめるような一着があるわけではなく、あくまでも優位を保持する程度のもの。
つまり、「盤上この一手!」というわけではないので、ご了承いただきたい。
が、右玉の感覚を養う参考にはなるはずだ。

次の一手1問目。手拍子で逃げると不利に

後手の持駒:桂 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v飛 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・v玉 ・v金 ・v金 ・ ・|二
|v歩 ・v桂v銀 ・v歩v角 ・v歩|三
| ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・ ・ ・|四
| ・v歩 歩 ・ ・ ・v銀 ・ ・|五
| ・ ・ ・ 歩 銀 歩 歩v歩 歩|六
| 歩 歩 銀 ・ 歩 ・ 金 ・ 角|七
| ・ 玉 金 ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 飛 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩三 
後手番
手数=21  ▲3六歩  まで

右玉側から3六歩と打たれる前に歩を打つ自然な一手。
ソフトが示す読み筋は?

後手の持駒:桂 歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v飛 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・v玉 ・v金 ・v金 ・ ・|二
|v歩 ・v桂v銀 ・v歩v角 ・v歩|三
| ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・ ・ ・|四
| ・v歩 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ ・ 歩 銀 歩v銀v歩 歩|六
| 歩 歩 銀 ・ 歩 ・ 金 ・ 角|七
| ・ 玉 金 ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 飛 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩三 
手数=26  △3六銀  まで

銀を引く手を考えそうだが、同銀!と銀を捨てつつ1歩入手するのがソフトの読み。
同金に7六歩打、同銀、6六角。

後手の持駒:桂 歩二 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v飛 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・v玉 ・v金 ・v金 ・ ・|二
|v歩 ・v桂v銀 ・v歩 ・ ・v歩|三
| ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・ ・ ・|四
| ・v歩 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 銀 ・ 銀 歩 金v歩 歩|六
| 歩 歩 銀 ・v馬 ・ ・ ・ 角|七
| ・ 玉 金 ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 飛 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩四 
手数=28  △5七馬  まで

5七角成と馬を作れ、形勢は互角。
銀を引くては、4四銀は2六飛、2四銀は2六金で先手指しやすい。

次の一手2問目。手筋の一着

後手の持駒:角 銀 歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・v香|一
| ・ ・ ・v玉v金 ・ ・v金 ・|二
|v歩 ・ ・v銀 ・v歩v桂 ・v歩|三
| ・ ・v歩 ・v歩 ・ 歩v歩 ・|四
| 歩v桂 ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ 金 歩 歩 ・ 歩 ・ ・ ・|六
| ・ ・ ・ ・ 歩 銀 桂 ・ 歩|七
| ・ 玉 ・ ・ 金 ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 銀 歩三 
後手番
手数=29  ▲6六歩  まで

右玉有利に迎えた局面。3三の桂に歩が当たっているが、無視して攻めていきたい。
手筋の一着は?

後手の持駒:角 銀 歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・v香|一
| ・ ・ ・v玉v金 ・ ・v金 ・|二
|v歩 ・ ・v銀 ・v歩v桂 ・v歩|三
| ・ ・v歩 ・v歩 ・ 歩v歩 ・|四
| 歩 ・ ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ 金 歩 歩 ・ 歩 ・ ・ ・|六
|v圭 ・ ・ ・ 歩 銀 桂 ・ 歩|七
| ・ 玉 ・ ・ 金 ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 銀 歩三 
手数=30  △9七圭  まで

9七桂成!
金取りを受けるには、同玉だが、8五歩打が厳しい。
同桂なら、金が取れ、先手優勢。

次の一手3問目。意外な一手

後手の持駒:銀三 歩二 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v香|一
| ・ ・v玉 ・v金 ・v金 ・ ・|二
|v歩 ・v桂v銀 ・v歩v桂 ・v歩|三
| ・v飛 ・v歩 ・ ・ 歩 ・ ・|四
| 桂 ・v歩 ・v歩 歩 ・ ・ ・|五
| ・ ・ ・ 歩 ・ ・ 金 ・ 歩|六
| 歩 ・ ・ ・ 歩 ・ ・ 飛 角|七
| ・ ・ 玉 ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 金 歩四 
後手番
手数=53  ▲9五桂  まで

先手が9五桂打と打ってきたところ。
角筋が通って怖い局面だが、ソフトの意外な一手は?

後手の持駒:銀三 歩二 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v香|一
| ・ ・v玉 ・v金 ・v金 ・ ・|二
|v歩 ・ ・v銀 ・v歩v桂 ・v歩|三
| ・v飛 ・v歩 ・ ・ 歩 ・ ・|四
| 桂 ・v歩v桂v歩 歩 ・ ・ ・|五
| ・ ・ ・ 歩 ・ ・ 金 ・ 歩|六
| 歩 ・ ・ ・ 歩 ・ ・ 飛 角|七
| ・ ・ 玉 ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 金 歩四 
手数=54  △6五桂  まで

7三にスペースを開ける7五桂!
8三金打に対しては、同飛、同桂成、同玉で怖いがまだ大丈夫。

6五歩と桂馬を取ってきた場合は、7六銀打や5八銀打で攻める。

実戦は、7六銀打、5六歩、2六歩打、同角、5八銀打と進行。

後手の持駒:銀 歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v香|一
| ・ ・v玉 ・v金 ・v金 ・ ・|二
|v歩 ・ ・v銀 ・v歩v桂 ・v歩|三
| ・v飛 ・v歩 ・ ・ 歩 ・ ・|四
| 桂 ・v歩 歩v歩 歩 ・ ・ ・|五
| ・ ・v銀 ・ 歩 ・ 金 角 歩|六
| 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 ・|七
| ・ ・ 玉 ・v銀 ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 金 桂 歩五 
手数=60  ▲5八銀  まで

局面は900以上の評価値で右玉優勢。

次の一手4問目。ぬるい手では不利に

後手の持駒:銀 桂 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・v香|一
| ・ ・ ・v玉v金 ・v金 ・ ・|二
|v歩 ・v桂v歩 ・v歩 ・ ・v歩|三
| ・ ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|四
| 銀v歩 ・ ・ 銀 角v銀 ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ 歩|六
| 歩 歩 ・ 金 ・ 金 ・v歩 ・|七
| ・ 玉 ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・v角 ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:飛 桂 歩六 
後手番
手数=59  ▲4五角  まで

局面は先手が角で桂馬を取ったところ。
4七の金を拾えるが、それでは甘い。

後手の持駒:銀 桂 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・v香|一
| ・ ・ ・v玉v金 ・v金 ・ ・|二
|v歩 ・v桂v歩 ・v歩 ・ ・v歩|三
| ・ ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|四
| 銀 ・ ・ ・ 銀 角v銀 ・ ・|五
| ・v歩 歩 ・ ・ ・ ・ ・ 歩|六
| 歩 歩 ・ 金 ・ 金 ・v歩 ・|七
| ・ 玉 ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・v角 ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:飛 桂 歩六 
手数=60  △8六歩  まで

8六歩が正解。
8六桂打も悪くなく、実際本譜の進行はそうだったが、7七金と寄られるため、8六歩が勝る。

後手の持駒:銀二 桂 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v香|一
| ・ ・ ・v玉v金 ・v金 ・ ・|二
|v歩 ・v桂v歩 ・v歩 ・ ・v歩|三
| ・ ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ 銀 角v銀 ・ ・|五
| ・v飛 歩 ・ ・ ・ ・ ・ 歩|六
| 歩 歩 ・ 金 ・ 金 ・v歩 ・|七
| ・ 玉 ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・v角 ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:飛 桂 歩七 
手数=62  △8六飛  まで

先手の最善手は同銀。
同飛とされてしまい、同歩は7八銀打で寄り筋だたが、飛車を取らず7七金が好手。
以下、飛車を逃げておいて右玉優勢だ。

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