右玉には、相手がついウッカリしてしまう罠がたくさん存在する。
 しかし、罠自体に自分が気がついていないと意味がない。そこで、右玉の罠を紹介していこう。
2筋の歩交換に罠が潜む
局面は角換わり右玉vs矢倉。矢倉側が4六角と設置し玉頭を狙い、右玉側が4筋の歩を交換しつつ、銀を守りに追加したところ。
後手の持駒:角 歩 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v飛 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一 | ・ ・v玉v金 ・ ・v金 ・ ・|二 | ・ ・v桂v銀v銀 ・ ・v歩 ・|三 |v歩 ・v歩v歩v歩 ・v歩 ・v歩|四 | ・v歩 ・ ・ ・ 歩 ・ 歩 ・|五 | 歩 ・ 歩 歩 銀 角 歩 ・ 歩|六 | ・ 歩 銀 ・ 歩 ・ 桂 ・ ・|七 | ・ ・ 金 ・ ・ 金 ・ ・ ・|八 | 香 桂 玉 ・ ・ ・ ・ 飛 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:なし 手数=46 △5三銀 まで
ここから先手は2筋の歩を交換しに行く。自然な手だ。
急所の角打ち
後手の持駒:角 歩二 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v飛 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一 | ・ ・v玉v金 ・ ・v金 ・ ・|二 | ・ ・v桂v銀v銀 ・ ・ ・ ・|三 |v歩 ・v歩v歩v歩 ・v歩 飛v歩|四 | ・v歩 ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・|五 | 歩 ・ 歩 歩 銀 角 歩 ・ 歩|六 | ・ 歩 銀 ・ 歩 ・ 桂 ・ ・|七 | ・ ・ 金 ・ ・ 金 ・ ・ ・|八 | 香 桂 玉 ・ ・ ・ ・ ・ 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:歩 手数=49 ▲2四飛 まで
飛車で取ってしまったのが大悪手!
 1三角打で、先手は悲鳴をあげることになる。
後手の持駒:歩二 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v飛 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一 | ・ ・v玉v金 ・ ・v金 ・ ・|二 | ・ ・v桂v銀v銀 ・ ・ ・v角|三 |v歩 ・v歩v歩v歩 ・v歩 飛v歩|四 | ・v歩 ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・|五 | 歩 ・ 歩 歩 銀 角 歩 ・ 歩|六 | ・ 歩 銀 ・ 歩 ・ 桂 ・ ・|七 | ・ ・ 金 ・ ・ 金 ・ ・ ・|八 | 香 桂 玉 ・ ・ ・ ・ ・ 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:歩 手数=50 ▲1三角 まで
1三角打!
 こんなバカな手に引っかかる人なんているの? と思うかもしれないが、いるのです。
 短い時間の対局なら四段以上でも引っかかることがある。
先手は3四飛が最善
この後、3四飛、33歩、1三角成、3四歩と進むのが最善。
 先手は馬を作れるが、飛車角交換となり、後手右玉側が優勢となる。
また、3四飛以外を指してくる人も多いので確認してみよう。
1四飛の場合
後手の持駒:歩二 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v飛 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一 | ・ ・v玉v金 ・ ・v金 ・ ・|二 | ・ ・v桂v銀v銀 ・ ・ ・v角|三 |v歩 ・v歩v歩v歩 ・v歩 ・ 飛|四 | ・v歩 ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・|五 | 歩 ・ 歩 歩 銀 角 歩 ・ 歩|六 | ・ 歩 銀 ・ 歩 ・ 桂 ・ ・|七 | ・ ・ 金 ・ ・ 金 ・ ・ ・|八 | 香 桂 玉 ・ ・ ・ ・ ・ 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:歩二 後手番 手数=51 ▲1四飛 まで
4六角と取れるが、1一飛成とされてしまう。2三金なら飛車取れるが……
 正着は4六角! 1一飛成に3九角打!
後手の持駒:歩二 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v飛 ・ ・ ・ ・ ・v桂 龍|一 | ・ ・v玉v金 ・ ・v金 ・ ・|二 | ・ ・v桂v銀v銀 ・ ・ ・ ・|三 |v歩 ・v歩v歩v歩 ・v歩 ・ ・|四 | ・v歩 ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・|五 | 歩 ・ 歩 歩 銀v角 歩 ・ 歩|六 | ・ 歩 銀 ・ 歩 ・ 桂 ・ ・|七 | ・ ・ 金 ・ ・ 金 ・ ・ ・|八 | 香 桂 玉 ・ ・ ・v角 ・ 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:香 歩二 手数=52 △3九角 まで
この手までを覚えておきたい。これで後手勝勢だ。
2五桂馬、2四歩は飛車を取る
2五桂馬や2四歩など、飛車を逃げない手は堂々と飛車を取って後手勝勢。
以上、単純な手筋だが、右玉をたくさん指していると見かける局面だけに覚えておこう。
 逆に、右玉相手にしている場合は、引っかからないように注意しよう!

