叡王戦の福崎文吾九段 vs 佐藤康光九段戦で、福崎九段が風車右玉を採用した。
公式の棋譜は以下
2018年9月15日19:00 福崎 文吾 九段 対 勝者
将棋DB2の棋譜は以下
2018-09-15 叡王戦佐藤康光 九段 vs. 福崎文吾 九段 第4期叡王戦段位別予選九段戦
ニコ生のタイムシフトは以下
【将棋】第4期叡王戦 九段予選 福崎・佐藤・先崎
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福崎九段は妖刀の異名で有名。最近では、ゲーマーとの一面もクローズアップされており、「ふくちゃん」のニックネームでも人気だ。
一方の佐藤九段は羽生世代の超強豪。現在は棋士会長も務める
風車右玉 vs 菊水矢倉へ
後手右玉に対して、先手は銀を引いて菊水矢倉を志向。右玉対策として、よくある作戦だ。この時点ではソフト的にまったくの互角。
ただ、次の5四銀はあまりよくなく、1四歩のほうがよかったようだ。
ソフトの読みは、1四歩、1六歩に4四角。
ここで先手は手が広いが、いずれも後手悪くない。
仮に先手が2四歩と歩交換してきたら、同歩、同飛に対して、3五歩が手筋。
以下、同歩、同角、2八飛、3三桂は後手ややよしだ。
以上まで、3三桂までの分岐図だ。
右玉、積極的に攻める
上図は飛車が4筋に回って、4筋を巡る争いになったところ。
評価的には先手わずかによし。
ここで4三歩と謝る手もあったようだが、右玉側は積極的に仕掛けていく。
6五歩、同歩、6六歩打、5七金、6五桂、同桂、同銀。、
後手好調に見えるが、この局面でも先手がわずかながらよさそう。
しかし、右玉にも楽しみが多く、実戦的には右玉を持って悪くないだろう。
先手の最善手は4四歩、次善手は4四角で、それ以外なら右玉に形勢が触れる。先手も4四歩は指しにくそうだ。
実戦は2四歩。
この局面は右玉にとって最後のチャンスだったかもしれない。
本譜は同歩としたが、手抜いて強く7六銀と出る手があった。
先手は2三歩成とする余裕はない。
2三歩成に6七歩成、2ニと、7七桂打、9八玉、7八と、同飛は以下の図
この局面は右玉がかなりよさそうだ。
佐藤九段、重厚な銀打ち
少し進んで以下の局面。
お互い角を手持ちにした局面。ここで、先手の手を予想してほしい。
8七銀打!
ソフトも第一候補。この手で先手陣は安泰。
8筋からの攻めや、5九角打からの攻めも緩和している。
最後、右玉も攻めるが、佐藤九段は長手数の詰みを見逃さず、先手の勝利となった。
以上、福崎九段の右玉でした。