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広瀬竜王、棋王戦の初戦で右玉を採用!

プロの右玉

広瀬章人竜王が渡辺明棋王に挑戦する棋王戦の初戦で、広瀬竜王が相掛かりの出だしから途中で右玉へと変化した。

広瀬竜王は現役トップ棋士の1人。最近は右玉を相手にすることも多く、右玉にやや苦戦している印象。
一方の渡辺棋王は強豪ばかり相手に15連勝を記録するなど現在絶好調。A級復帰も決めている。

というわけで、棋譜は公式サイトからどうぞ。

第44期棋王戦中継サイト

出だしは相掛かり

後手の持駒:歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・ ・ ・v銀v桂v香|一
| ・ ・v銀v金v玉 ・v金v角 ・|二
| ・ ・v歩 ・v歩v歩v歩v歩v歩|三
|v歩v飛 ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ 歩 ・ ・|六
| ・ ・ ・ 歩 歩 歩 桂 ・ 歩|七
| ・ 角 金 ・ 玉 金 銀 ・ ・|八
| 香 桂 銀 ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩二 
後手番
手数=27  ▲2五歩  まで

出だしは相掛かり。お互いに中住まいに構える形。
相掛かりについては解説しません(できません)。

後手の持駒:歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・v玉 ・v桂v香|一
| ・v飛 ・v金 ・v銀v金v角 ・|二
| ・ ・v桂 ・v歩v歩 ・v歩 ・|三
|v歩 ・v歩 ・v銀 ・v歩 ・v歩|四
| ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ 飛 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ ・ 歩 歩 ・ ・|六
| ・ ・ 桂 歩 歩 銀 桂 ・ 歩|七
| ・ 角 金 ・ ・ 金 玉 ・ ・|八
| 香 ・ 銀 ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩二 
後手番
手数=49  ▲3八玉  まで

先手は飛車を激しく動かして一歩得を果たした末に、右玉へ。飛車は2五で保留したままだ。
7七桂がやや負担になってしまっているかもしれないこともあり、ソフト評価値は後手やや有利。

ちなみに相掛かりからの右玉は、以下のような対局もある。

畠山鎮七段、相掛かりから右玉へ変化!
2018年12月3日に開催された朝日杯将棋オープンの二次予選山崎隆之八段-畠山鎮七段戦で、畠山鎮七段が相掛かりからの右玉を採用してくれた。 畠山鎮七段といえば、双子の棋士として有名。「マモルは攻める」という言葉がある通り、攻め重視の棋風だ。...

渡辺棋王、機敏な4五歩

後手の持駒:歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・v玉 ・v桂v香|一
| ・v飛 ・v金 ・v銀v金v角 ・|二
| ・ ・v桂 ・v歩 ・ ・v歩 ・|三
|v歩 ・v歩 ・v銀 ・v歩 ・v歩|四
| ・ 歩 ・ ・ ・v歩 ・ 飛 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ ・ 歩 歩 ・ ・|六
| ・ ・ 桂 歩 歩 銀 桂 ・ 歩|七
| ・ 角 金 銀 ・ 金 玉 ・ ・|八
| 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩二 
手数=52  △4五歩  まで

先手は6八銀として左銀を守備に参加させようとするが、ここで4五歩が機敏な一手。
玉頭だけに怖い面もあるが、好手だった。

後手の持駒:歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・v玉 ・ ・v香|一
| ・v飛 ・v金 ・v銀v金v角 ・|二
| ・ ・v桂 ・v歩 ・v桂v歩 ・|三
|v歩 ・v歩 ・v銀 ・v歩 ・v歩|四
| ・ 歩 ・ ・ ・ 歩 ・ 飛 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ 歩 ・ ・|六
| ・ ・ 桂 歩 歩 銀 桂 ・ 歩|七
| ・ 角 金 銀 ・ 金 玉 ・ ・|八
| 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩三 
手数=54  △3三桂  まで

同歩に3三桂が継続手。飛車に当てて逃げさせることで4筋を制圧できる。

後手の持駒:歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・v玉 ・ ・v香|一
| ・v飛 ・v金 ・v銀v金 ・ ・|二
| ・ ・v桂 ・v歩 ・v桂v歩v角|三
|v歩 ・v歩 ・v銀 ・v歩 ・v歩|四
| ・ 歩 ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ 歩 ・ ・|六
| ・ ・ 桂 歩 歩 銀 桂 ・ 歩|七
| ・ 角 金 銀 ・ 金 玉 ・ ・|八
| 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩三 
手数=56  △1三角  まで

2九飛と引いたところに1三角。次の狙いである4六歩打ちが非常に厳しい。

幻の4三銀打は成立したかどうか

後手の持駒:銀 桂 歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・v玉 ・ ・v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・v銀 ・ ・|二
| ・ ・ ・v金v歩 ・v桂v歩v角|三
|v歩 ・v歩v桂 ・ ・v歩 ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ 角 歩 ・ ・ ・|五
| 歩 歩 歩 ・ ・v歩 歩 ・ 歩|六
| ・ ・ ・ 歩 歩 ・ 桂 ・ ・|七
| ・ ・ 金 銀 ・ 金 玉 ・ ・|八
| 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:金 銀 歩二 
手数=72  △3二銀  まで

少し進んで上の局面が本局のハイライト。桂馬で3二の金を取って、同銀とした局面。
本譜は4四歩として右玉の負けになってしまったが、4三銀打が成立したのではないだろうか?

変化図
後手の持駒:銀 桂 歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・v玉 ・ ・v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・v銀 ・ ・|二
| ・ ・ ・v金v歩 銀v桂v歩v角|三
|v歩 ・v歩v桂 ・ ・v歩 ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ 角 歩 ・ ・ ・|五
| 歩 歩 歩 ・ ・v歩 歩 ・ 歩|六
| ・ ・ ・ 歩 歩 ・ 桂 ・ ・|七
| ・ ・ 金 銀 ・ 金 玉 ・ ・|八
| 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:金 歩二 
後手番
手数=73  ▲4三銀  まで

この局面からソフト同士30秒で10戦対局させたところ、先手の6勝4敗。
というわけで互角以上の戦いができたかもしれない。
変化を少し見てみると、同銀、3三角成に3二銀と引く。

変化図
後手の持駒:銀二 桂 歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・v玉 ・ ・v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・v銀 ・ ・|二
| ・ ・ ・v金v歩 ・ 馬v歩v角|三
|v歩 ・v歩v桂 ・ ・v歩 ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・|五
| 歩 歩 歩 ・ ・v歩 歩 ・ 歩|六
| ・ ・ ・ 歩 歩 ・ 桂 ・ ・|七
| ・ ・ 金 銀 ・ 金 玉 ・ ・|八
| 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:金 桂 歩二 
手数=76  △3二銀  まで

3二銀以外、例えば4二銀打なら2三馬があり、1三の角を外せることが大きく先手優勢。3二銀打と銀を投入するのは堅くはなるが、攻め駒が減ってしまうので先手が有利になる。

変化図
後手の持駒:銀二 桂 歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ 金 ・ ・ ・ 馬|一
| ・v飛 ・ ・ ・v玉v銀 ・ ・|二
| ・ ・ ・v金v歩 ・ ・v歩v角|三
|v歩 ・v歩v桂 ・ ・v歩 ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・|五
| 歩 歩 歩 ・ ・v歩 歩 ・ 歩|六
| ・ ・ ・ 歩 歩 ・ 桂 ・ ・|七
| ・ ・ 金 銀 ・ 金 玉 ・ ・|八
| 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:桂 香 歩二 
手数=80  △4二玉  まで

5一金打、3一玉、1一馬、4二玉とされて苦しい感じもするが……。

変化図
後手の持駒:銀二 桂 歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ 金 ・ ・ ・ 馬|一
| ・v飛 ・ ・ 香v玉v銀 ・ ・|二
| ・ ・ ・v金v歩 ・ ・v歩v角|三
|v歩 ・v歩v桂 ・ ・v歩 ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・|五
| 歩 歩 歩 ・ ・v歩 歩 ・ 歩|六
| ・ ・ ・ 歩 歩 ・ 桂 ・ ・|七
| ・ ・ 金 銀 ・ 金 玉 ・ ・|八
| 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:桂 歩二 
後手番
手数=81  ▲5二香  まで

5二香打が粘りある一手。
この局面は後手としても難しい。ソフトの候補手は2二銀打として馬を封じ込める手と、4七銀打の攻め合いだが、いずれも互角の判断だ。2二銀打のほうがわずかに良さそうだが、まだまだ長い戦いとなる。

渡辺棋王が華麗に寄せる

後手の持駒:銀 桂 歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・v玉 ・ ・v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・v銀 ・ ・|二
| ・ ・ ・v金 ・ ・v桂v歩v角|三
|v歩 ・v歩v桂v歩 歩v歩 ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ 角 ・ ・ ・ ・|五
| 歩 歩 歩 ・ ・v歩 歩 ・ 歩|六
| ・ ・ ・ 歩 歩 ・ 桂 ・ ・|七
| ・ ・ 金 銀 ・ 金 玉 ・ ・|八
| 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:金 銀 歩二 
手数=74  △5四歩  まで

4四歩に対しては角取りとなる5四歩が厳しかった。4三歩成とするしかないが5五歩と堂々と角を取られてしまう。
角を手持ちにされると先手は風前の灯。

後手の持駒:角 金 歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・v玉 ・ ・ ・v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・ 歩v銀 ・ ・|二
| ・ 銀 ・v金 ・ とv桂v歩v角|三
|v歩 ・v歩v桂 ・ ・v歩 ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・ ・ ・|五
| 歩 歩 歩 ・ ・v桂 歩 ・ 歩|六
| ・ ・ ・ 歩 歩 玉 桂 ・ ・|七
| ・ ・ 金 銀 ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:金 銀 歩二 
手数=84  ▲4六桂  まで

最後は4六桂打ちで広瀬竜王が投了。残念ながら右玉の負けとなってしまった。

が、今後も棋王戦で右玉が登場することを期待しています。
そして右玉NOWは広瀬竜王を応戦します!

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