広瀬章人竜王が渡辺明棋王に挑戦する棋王戦の初戦で、広瀬竜王が相掛かりの出だしから途中で右玉へと変化した。
広瀬竜王は現役トップ棋士の1人。最近は右玉を相手にすることも多く、右玉にやや苦戦している印象。
一方の渡辺棋王は強豪ばかり相手に15連勝を記録するなど現在絶好調。A級復帰も決めている。
というわけで、棋譜は公式サイトからどうぞ。
出だしは相掛かり
後手の持駒:歩 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香v桂 ・ ・ ・ ・v銀v桂v香|一 | ・ ・v銀v金v玉 ・v金v角 ・|二 | ・ ・v歩 ・v歩v歩v歩v歩v歩|三 |v歩v飛 ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・|四 | ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 ・|五 | 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ 歩 ・ ・|六 | ・ ・ ・ 歩 歩 歩 桂 ・ 歩|七 | ・ 角 金 ・ 玉 金 銀 ・ ・|八 | 香 桂 銀 ・ ・ ・ ・ ・ 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:歩二 後手番 手数=27 ▲2五歩 まで
出だしは相掛かり。お互いに中住まいに構える形。
相掛かりについては解説しません(できません)。
後手の持駒:歩 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香 ・ ・ ・ ・v玉 ・v桂v香|一 | ・v飛 ・v金 ・v銀v金v角 ・|二 | ・ ・v桂 ・v歩v歩 ・v歩 ・|三 |v歩 ・v歩 ・v銀 ・v歩 ・v歩|四 | ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ 飛 ・|五 | 歩 ・ 歩 ・ ・ 歩 歩 ・ ・|六 | ・ ・ 桂 歩 歩 銀 桂 ・ 歩|七 | ・ 角 金 ・ ・ 金 玉 ・ ・|八 | 香 ・ 銀 ・ ・ ・ ・ ・ 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:歩二 後手番 手数=49 ▲3八玉 まで
先手は飛車を激しく動かして一歩得を果たした末に、右玉へ。飛車は2五で保留したままだ。
7七桂がやや負担になってしまっているかもしれないこともあり、ソフト評価値は後手やや有利。
ちなみに相掛かりからの右玉は、以下のような対局もある。

渡辺棋王、機敏な4五歩
後手の持駒:歩 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香 ・ ・ ・ ・v玉 ・v桂v香|一 | ・v飛 ・v金 ・v銀v金v角 ・|二 | ・ ・v桂 ・v歩 ・ ・v歩 ・|三 |v歩 ・v歩 ・v銀 ・v歩 ・v歩|四 | ・ 歩 ・ ・ ・v歩 ・ 飛 ・|五 | 歩 ・ 歩 ・ ・ 歩 歩 ・ ・|六 | ・ ・ 桂 歩 歩 銀 桂 ・ 歩|七 | ・ 角 金 銀 ・ 金 玉 ・ ・|八 | 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:歩二 手数=52 △4五歩 まで
先手は6八銀として左銀を守備に参加させようとするが、ここで4五歩が機敏な一手。
玉頭だけに怖い面もあるが、好手だった。
後手の持駒:歩 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香 ・ ・ ・ ・v玉 ・ ・v香|一 | ・v飛 ・v金 ・v銀v金v角 ・|二 | ・ ・v桂 ・v歩 ・v桂v歩 ・|三 |v歩 ・v歩 ・v銀 ・v歩 ・v歩|四 | ・ 歩 ・ ・ ・ 歩 ・ 飛 ・|五 | 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ 歩 ・ ・|六 | ・ ・ 桂 歩 歩 銀 桂 ・ 歩|七 | ・ 角 金 銀 ・ 金 玉 ・ ・|八 | 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:歩三 手数=54 △3三桂 まで
同歩に3三桂が継続手。飛車に当てて逃げさせることで4筋を制圧できる。
後手の持駒:歩 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香 ・ ・ ・ ・v玉 ・ ・v香|一 | ・v飛 ・v金 ・v銀v金 ・ ・|二 | ・ ・v桂 ・v歩 ・v桂v歩v角|三 |v歩 ・v歩 ・v銀 ・v歩 ・v歩|四 | ・ 歩 ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・|五 | 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ 歩 ・ ・|六 | ・ ・ 桂 歩 歩 銀 桂 ・ 歩|七 | ・ 角 金 銀 ・ 金 玉 ・ ・|八 | 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:歩三 手数=56 △1三角 まで
2九飛と引いたところに1三角。次の狙いである4六歩打ちが非常に厳しい。
幻の4三銀打は成立したかどうか
後手の持駒:銀 桂 歩 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香 ・ ・ ・ ・v玉 ・ ・v香|一 | ・v飛 ・ ・ ・ ・v銀 ・ ・|二 | ・ ・ ・v金v歩 ・v桂v歩v角|三 |v歩 ・v歩v桂 ・ ・v歩 ・v歩|四 | ・ ・ ・ ・ 角 歩 ・ ・ ・|五 | 歩 歩 歩 ・ ・v歩 歩 ・ 歩|六 | ・ ・ ・ 歩 歩 ・ 桂 ・ ・|七 | ・ ・ 金 銀 ・ 金 玉 ・ ・|八 | 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:金 銀 歩二 手数=72 △3二銀 まで
少し進んで上の局面が本局のハイライト。桂馬で3二の金を取って、同銀とした局面。
本譜は4四歩として右玉の負けになってしまったが、4三銀打が成立したのではないだろうか?
後手の持駒:銀 桂 歩 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香 ・ ・ ・ ・v玉 ・ ・v香|一 | ・v飛 ・ ・ ・ ・v銀 ・ ・|二 | ・ ・ ・v金v歩 銀v桂v歩v角|三 |v歩 ・v歩v桂 ・ ・v歩 ・v歩|四 | ・ ・ ・ ・ 角 歩 ・ ・ ・|五 | 歩 歩 歩 ・ ・v歩 歩 ・ 歩|六 | ・ ・ ・ 歩 歩 ・ 桂 ・ ・|七 | ・ ・ 金 銀 ・ 金 玉 ・ ・|八 | 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:金 歩二 後手番 手数=73 ▲4三銀 まで
この局面からソフト同士30秒で10戦対局させたところ、先手の6勝4敗。
というわけで互角以上の戦いができたかもしれない。
変化を少し見てみると、同銀、3三角成に3二銀と引く。
後手の持駒:銀二 桂 歩 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香 ・ ・ ・ ・v玉 ・ ・v香|一 | ・v飛 ・ ・ ・ ・v銀 ・ ・|二 | ・ ・ ・v金v歩 ・ 馬v歩v角|三 |v歩 ・v歩v桂 ・ ・v歩 ・v歩|四 | ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・|五 | 歩 歩 歩 ・ ・v歩 歩 ・ 歩|六 | ・ ・ ・ 歩 歩 ・ 桂 ・ ・|七 | ・ ・ 金 銀 ・ 金 玉 ・ ・|八 | 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:金 桂 歩二 手数=76 △3二銀 まで
3二銀以外、例えば4二銀打なら2三馬があり、1三の角を外せることが大きく先手優勢。3二銀打と銀を投入するのは堅くはなるが、攻め駒が減ってしまうので先手が有利になる。
後手の持駒:銀二 桂 歩 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香 ・ ・ ・ 金 ・ ・ ・ 馬|一 | ・v飛 ・ ・ ・v玉v銀 ・ ・|二 | ・ ・ ・v金v歩 ・ ・v歩v角|三 |v歩 ・v歩v桂 ・ ・v歩 ・v歩|四 | ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・|五 | 歩 歩 歩 ・ ・v歩 歩 ・ 歩|六 | ・ ・ ・ 歩 歩 ・ 桂 ・ ・|七 | ・ ・ 金 銀 ・ 金 玉 ・ ・|八 | 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:桂 香 歩二 手数=80 △4二玉 まで
5一金打、3一玉、1一馬、4二玉とされて苦しい感じもするが……。
後手の持駒:銀二 桂 歩 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香 ・ ・ ・ 金 ・ ・ ・ 馬|一 | ・v飛 ・ ・ 香v玉v銀 ・ ・|二 | ・ ・ ・v金v歩 ・ ・v歩v角|三 |v歩 ・v歩v桂 ・ ・v歩 ・v歩|四 | ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・|五 | 歩 歩 歩 ・ ・v歩 歩 ・ 歩|六 | ・ ・ ・ 歩 歩 ・ 桂 ・ ・|七 | ・ ・ 金 銀 ・ 金 玉 ・ ・|八 | 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:桂 歩二 後手番 手数=81 ▲5二香 まで
5二香打が粘りある一手。
この局面は後手としても難しい。ソフトの候補手は2二銀打として馬を封じ込める手と、4七銀打の攻め合いだが、いずれも互角の判断だ。2二銀打のほうがわずかに良さそうだが、まだまだ長い戦いとなる。
渡辺棋王が華麗に寄せる
後手の持駒:銀 桂 歩 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香 ・ ・ ・ ・v玉 ・ ・v香|一 | ・v飛 ・ ・ ・ ・v銀 ・ ・|二 | ・ ・ ・v金 ・ ・v桂v歩v角|三 |v歩 ・v歩v桂v歩 歩v歩 ・v歩|四 | ・ ・ ・ ・ 角 ・ ・ ・ ・|五 | 歩 歩 歩 ・ ・v歩 歩 ・ 歩|六 | ・ ・ ・ 歩 歩 ・ 桂 ・ ・|七 | ・ ・ 金 銀 ・ 金 玉 ・ ・|八 | 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:金 銀 歩二 手数=74 △5四歩 まで
4四歩に対しては角取りとなる5四歩が厳しかった。4三歩成とするしかないが5五歩と堂々と角を取られてしまう。
角を手持ちにされると先手は風前の灯。
後手の持駒:角 金 歩 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香 ・ ・ ・v玉 ・ ・ ・v香|一 | ・v飛 ・ ・ ・ 歩v銀 ・ ・|二 | ・ 銀 ・v金 ・ とv桂v歩v角|三 |v歩 ・v歩v桂 ・ ・v歩 ・v歩|四 | ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・ ・ ・|五 | 歩 歩 歩 ・ ・v桂 歩 ・ 歩|六 | ・ ・ ・ 歩 歩 玉 桂 ・ ・|七 | ・ ・ 金 銀 ・ ・ ・ ・ ・|八 | 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 飛 香|九 +---------------------------+ 先手の持駒:金 銀 歩二 手数=84 ▲4六桂 まで
最後は4六桂打ちで広瀬竜王が投了。残念ながら右玉の負けとなってしまった。
が、今後も棋王戦で右玉が登場することを期待しています。
そして右玉NOWは広瀬竜王を応戦します!