2019年6月22日、マイナビ女子オープン・チャレンジマッチで和田はなアマが右玉を採用してくれた。
和田はなアマは、和田あき女流初段の妹さん。先日のリコー杯女流王座アマ予選でも、右玉で快勝したことが記憶に新しい。
女流王座戦アマ予選で、和田はなアマが右玉で勝利!
2019年4月21日に行われた女流王座戦のアマ予選で、和田はなアマが右玉を採用して勝利したので紹介したい。 和田はなアマは、和田あき女流初段の妹さんで現在関東研修会C1クラスに所属。2018年の第23回全米将棋大会で優勝という快挙を成し遂げ...
対するのは松下舞琳アマは、2017年の小学生女子将棋名人戦優勝者。小学2年で熊本の子供大会で史上最年少優勝するなどの実績もある。
というわけで、棋譜は以下からどうぞ
2019年6月22日 第13期マイナビ女子オープン・チャレンジマッチ3回戦第2局(要Flash)
ちなみにこの日のチャレンジマッチは本局を含め、3局が右玉という右玉デーになった。
そのうち将棋の戦型は、右玉とそれ以外で分類されるようになるかもしれない。
後手は角換わり右玉5三銀型へ
序盤は角換わり。後手は玉を一度4二に置いたが、先手の飛車が4筋に寄ったのを見てから右玉へ。
後手はさらに左銀を5三まで移動させる。先手は右玉対策としてよくある6七銀型。金銀4枚で固める形だ。この局面は互角だが、わずかに評価値は右玉。右玉作戦勝ちと言ってもよいだろう。
右玉、桂頭を狙われるもうまく反撃する
局面はお互いの桂をさばきあったところ。この時点で、ソフト評価値は300程度右玉有利。
7五歩。
対右玉の手筋で、右玉の弱点である桂頭を攻めるほか、3二金型の場合、将来的に5四角打の王手金取りが発生することがあるので注意しなければならない。
ただし、この局面では右玉も堅く、やや無理があったかもしれない。ソフト評価値は800ほど右玉優勢に。
先手の継続手は3八角打。このラインも対右玉の手筋。
桂頭はもちろん、将来的な9二歩を狙っている。
右玉は6五歩。これも右玉党が覚えておきたい手筋。
6五歩に対して、先手が同歩と応じたところに、8六歩、同銀、6六歩打!
この手が好手。次の7五桂打や2二角打が強烈だ。
先手は同銀と応じざるをえなかったが、そこで4四角打。意味は2二角と同じ。
ただ、細かいことをいえば、3三や2二から離して打ったほうがよかったようだ。
具体的には、7五銀左、7四歩打のときに、5六角打があって角に当たる(下変化図)。
変化図
これでも右玉優勢ではあるが、評価値にすると500点くらい違う。
先手から4四歩打の犠打でこの局面にもできるが、その場合は一歩得になる。
本譜は6七金と受けたところに7四桂打。右玉優勢がはっきりした。
右玉、踏み込んで寄せる
少し進み、8六歩に対して8四桂打の王手で切り替えしたところ。ここで、和田アマは踏み込む。
同飛!
銀が動けば6六角が金を取って王手銀取りなので読みやすい手ではあるが、優勢なところで素晴らしい踏み込み。ソフトも当然ながら第一候補手だ。
同銀、6六角、7八玉、8七歩成に6八玉と逃げたところで、8四角と銀を取り、はっきり勝勢。
上の局面で先手投了となった。
4八銀や4八香で受けても詰みがあり、必至。
4八銀と受けた場合は13手詰め。
4八銀と受けた場合は21手詰め。
腕に自信があれば考えてみてほしい。
もちろん、詰まさなくても後手勝ちではあるが。
というわけで、後手右玉の和田はなアマが勝利。悪手らしい悪手もなく、会心の一局と言えるだろう。
和田はなアマは、チャレンジマッチを突破。7月20日に開催される一斉予選で、加藤圭2級と対局する。
右玉NOWは今後も和田はなアマを応援します!