PR

「誰も言わなかった右玉の破り方」で糸谷流右玉の決定的対策が出てるのか検証する

右玉の本

前回の速報レビューに続き、神谷広志八段著「誰も言わなかった右玉の破り方」の内容に触れていきたい。

神谷広志八段著「誰も言わなかった右玉の破り方」速報レビュー
右玉党が恐れていた神谷広志八段による世界初の右玉対策本「誰も言わなかった右玉の破り方」が本日発売になりました! ミギーはAmazonで予約注文したけど発送されないのでキャンセルし、Kindleで購入し直しました。 各種変化に対するじっくりと...

今回検討するのは、「第4章振り飛車」。
いわゆる、糸谷流右玉に対する方法を解説している章である。果たして糸谷流右玉対策となっているのか? 決定版となる手順があるのか? 気になる人は多いだろう。

なお、「誰も言わなかった右玉の破り方」を持っている人、購入予定の人以外にはあまり参考にならないかもしれないが、糸谷流右玉でやってはいけない手は本エントリでわかるかもしれない。
具体的な手順や解説は本書を購入して確認してほしい。

四間飛車

序盤のスキの咎め方を紹介

序盤は糸谷流右玉側にスキがあれば咎めるというもの。

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金v玉v金v銀v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・v角 ・|二
|v歩 ・ ・v銀v歩v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・v歩v歩 ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 歩 ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 角 銀 歩 歩 歩 歩 歩|七
| ・ ・ ・ 飛 ・ 玉 ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=14  △6三銀(62) まで

この6三銀は危険で糸谷流右玉として指してはいけない手。変えて7三桂とすれば安全だ。

本書では最初に6三銀を咎める手順を紹介している。

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v飛 ・ ・ ・v金v銀v桂v香|一
| ・ ・v金v玉 ・ ・ ・v角 ・|二
| ・ ・v桂v銀 ・v歩 ・v歩v歩|三
|v歩 ・v歩v歩v歩 ・v歩 ・ ・|四
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 歩 銀 ・ ・ ・ ・|六
| ・ 歩 角 ・ 歩 歩 歩 歩 歩|七
| ・ ・ ・ 飛 金 ・ 銀 玉 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=26  △5四歩(53) まで

続いてはこちら。5四歩も危険な手で、指してはいけない手だ。小ビンが開いてしまうし、糸谷流右玉を指す人でこの手を指す人がいるかどうかは疑問だ。

実戦でもありそうな局面へ

166ページからの糸谷流右玉対策だが、174ページ目ではじめて現実的にありそうな局面となる。

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・v玉v金 ・v桂v香|一
| ・v飛v金 ・ ・ ・v銀v角 ・|二
|v歩 ・v桂v銀v歩 ・ ・v歩v歩|三
| ・ ・v歩v歩 ・v歩v歩 ・ ・|四
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 歩 ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 角 銀 歩 歩 歩 歩 歩|七
| ・ ・ 飛 ・ 金 ・ 銀 玉 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
後手番
手数=23  ▲7八飛(68) まで

糸谷流右玉対策となる三間飛車に振り直す作戦だ。これは有力だと思し、糸谷流右玉側から見れば怖い。

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v飛 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・ ・v玉 ・v金 ・v角 ・|二
| ・v金v桂v銀v歩 ・ ・v歩v歩|三
|v歩 ・v歩v歩v銀v歩v歩 ・ ・|四
| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 銀 歩 ・ ・ ・ ・ ・|六
| ・ 歩 桂 ・ 歩 歩 歩 歩 歩|七
| ・ ・ ・ ・ 金 ・ 銀 玉 ・|八
| 香 ・ ・ 飛 角 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩 
手数=40  △5四銀(43) まで

本書のように進めていくとこの局面。これは確かに先手有利で、後手が潰れていそう。
では、どこで変化すればよかったか?

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・v金 ・v桂v香|一
| ・v飛v金v玉 ・ ・ ・v角 ・|二
|v歩 ・v桂v銀v歩v銀 ・v歩v歩|三
| ・ ・v歩v歩 ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・v歩 ・ ・ ・v歩 ・ ・ ・|五
| ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 銀 歩 歩 歩 歩 歩|七
| ・ ・ ・ ・ 金 ・ 銀 玉 ・|八
| 香 桂 飛 ・ 角 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩 
手数=32  △4五歩(44) まで

先手が7筋で歩交換したあとに、4五歩で角筋を通す手が良さそう。
本書の手順のように7五銀と繰り出す手を防いでいる。
先手からも手が難しそうだ。

先手からの候補手は7七角、7五歩打、7六飛、端歩あたり。
4六歩! という驚くべき手もありそう。

7七角に対して、5四銀とするか、3三角で一局。いずれも右玉が悪くない。

気になるのは、もう一度7五歩打として、同歩、同飛、7四歩打、4五飛として、歩をかすめ取られる手順(以下図)。実はこの手順が先手の最善手の可能性もある。

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・v金 ・v桂v香|一
| ・v飛v金v玉 ・ ・ ・v角 ・|二
|v歩 ・v桂v銀v歩v銀 ・v歩v歩|三
| ・ ・v歩v歩 ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・v歩 ・ ・ ・ 飛 ・ ・ ・|五
| ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 銀 歩 歩 歩 歩 歩|七
| ・ ・ ・ ・ 金 ・ 銀 玉 ・|八
| 香 桂 ・ ・ 角 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩二 
後手番
手数=37  ▲4五飛(75) まで

この局面でも右玉が不利なわけではなく、5二玉で受けておいて互角以上に戦える。
というわけで、「誰も言わなかった右玉の破り方」の四間飛車編の対策は序盤の駒組みを間違えず、一度角筋を止め、タイミングよく角筋を開ければまったく怖くない。

中飛車

中飛車が誘う罠

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・v金v玉v金v銀v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・v角 ・|二
|v歩 ・v桂v銀v歩v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・v歩v歩 ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・v歩 ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 角 歩 銀 歩 歩 歩 歩|七
| ・ ・ ・ ・ 飛 ・ 玉 ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
後手番
手数=17  ▲5七銀(68) まで

続いては対中飛車の節。
上の局面は7五桂を誘ったもの。が、糸谷流右玉に慣れていればそんな誘いに乗ることはないだろう。
7五桂には9五角があり、後手不利になる。念の為。

2006-10-06 新人王戦糸谷哲郎 vs. 横山泰明 新人王戦の18手目にも似た誘いが出てくる。

ミギーの記憶が確かなら、2006年12月将棋世界でも解説されていたはずだ。
(すごいプレミア価格がついているので電子化を希望したい!)

7八金型

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v飛 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・v金v玉 ・v金 ・v角 ・|二
| ・ ・v桂v銀v歩v銀 ・ ・ ・|三
|v歩 ・v歩v歩 ・v歩v歩v歩v歩|四
| ・v歩 ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 歩 銀 歩 ・ ・ ・|六
| ・ 歩 桂 ・ ・ ・ 歩 歩 歩|七
| ・ ・ 金 角 ・ ・ 銀 玉 ・|八
| 香 ・ ・ ・ 飛 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
後手番

というわけで、こちらが中飛車 vs 糸谷流右玉の最初の基本図(181ページ)。
2四歩と突いているのは少し珍しい気もする。
ソフト評価値は後手寄りの-200ほど。

本書ではここで後手が3三桂としているが、この形であれば変えて2五歩と突けば後手の優位が拡大しそうだ。

後手で怖いのは9筋からの端攻めだが、8三金で耐えれそう。
一方、攻め筋は1三角からになる。

4七金型

後手の持駒:歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・v香|一
| ・ ・v金v玉 ・v金 ・v角 ・|二
| ・ ・v桂v銀v歩v銀v桂v歩 ・|三
|v歩 ・v歩v歩 ・v歩 ・ ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ 歩 ・v歩 ・ ・|五
| 歩 飛 歩 ・ 銀 歩 ・ ・ ・|六
| 桂 ・ 角 歩 ・ 金 歩 歩 歩|七
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ 銀 玉 ・|八
| 香 ・ ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩 
後手番
手数=41  ▲8六飛(89) まで

続いては4七金型(184ページ)の局面。上の局面まで進むことができれば、先手がやや有利で成功といえるだろう。
ただ、途中で右玉側に疑問手がある。

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・v香|一
| ・ ・v金v玉 ・v金 ・v角 ・|二
| ・ ・v桂v銀v歩v銀v桂v歩 ・|三
|v歩 ・v歩v歩 ・v歩 ・ ・v歩|四
| ・v歩 ・ ・ 歩 ・v歩 ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 銀 歩 ・ ・ ・|六
| 桂 歩 角 歩 ・ 金 歩 歩 歩|七
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ 銀 玉 ・|八
| 香 飛 ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=38  △3五歩(34) まで

この3五歩はない。変えて1三角ならわずかに後手よりの互角だ。

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・v香|一
| ・ ・v金v玉 ・v金 ・ ・ ・|二
| ・v歩v桂v銀v歩v銀v桂v歩v角|三
|v歩 ・v歩v歩 ・v歩v歩 ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・|五
| 歩 飛 歩 ・ 銀 歩 ・ ・ ・|六
| 桂 ・ 角 歩 ・ 金 歩 歩 歩|七
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ 銀 玉 ・|八
| 香 ・ ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩 
手数=42  △8三歩打 まで

飛車のぶつけは冷静に8三歩打で互角。相手の狙いを外すことができる。

7筋への振り直し

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・v金 ・ ・v香|一
| ・v飛v金v玉 ・ ・ ・v角 ・|二
| ・ ・v桂v銀v歩v銀v桂v歩v歩|三
|v歩 ・v歩v歩 ・v歩v歩 ・ ・|四
| ・v歩 ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 銀 歩 ・ ・ ・|六
| ・ 歩 角 歩 ・ ・ 歩 歩 歩|七
| ・ ・ 飛 ・ ・ ・ 銀 玉 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=30  △3三桂(21) まで

続いては7筋に振り直す作戦。テーマ図は上の局面(190ページ)。
実は、この局面はすでに先手有利。というわけで、糸谷流右玉側はこの局面を避ける必要がある。

ではどこが悪かったのか?

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・v金 ・v桂v香|一
| ・v飛v金v玉 ・v銀 ・v角 ・|二
| ・ ・v桂v銀v歩 ・ ・v歩v歩|三
|v歩 ・v歩v歩 ・v歩v歩 ・ ・|四
| ・v歩 ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 銀 ・ ・ ・ ・|六
| ・ 歩 角 歩 ・ 歩 歩 歩 歩|七
| ・ ・ ・ ・ 飛 ・ 銀 玉 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=26  △9四歩(93) まで

9四歩と端を受けたのが悪手。本書では触れられてないが、9五歩の端攻めが成立してしまう。この局面では受けないほうがよい。
基本的に向飛車と、向飛車になりそうな局面は9筋(右玉から見て右側)の端を受けないほうが良いことが多いので覚えておこう。

端を受けず、3二金や4三銀、3三桂、8一飛などどの手でも互角の戦いとなりそう。

後手積極策5一飛

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・v飛 ・ ・ ・v香|一
| ・ ・v金v玉 ・v金 ・v角 ・|二
|v歩 ・v桂v銀v歩v銀v桂v歩 ・|三
| ・ ・v歩v歩 ・v歩v歩 ・v歩|四
| ・v歩 ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 飛 歩 銀 歩 ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ ・ ・ ・ 歩 歩 歩|七
| ・ ・ ・ 角 金 ・ 銀 玉 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩 
手数=40  △5一飛(81) まで

P196の局面は三間飛車 vs 後手が中飛車にした形。
この局面は完全に先手有利。やはり途中で悪手があるのだ。

直前の5一飛は完全に悪手。変えて1三角と覗けば互角だ。

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・v金 ・ ・v香|一
| ・v飛v金v玉 ・v銀 ・v角 ・|二
|v歩 ・v桂v銀v歩 ・v桂v歩v歩|三
| ・ ・v歩v歩 ・v歩v歩 ・ ・|四
| ・v歩 ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 銀 歩 ・ ・ ・|六
| 歩 歩 角 歩 ・ ・ 歩 歩 歩|七
| ・ ・ ・ ・ 飛 ・ 銀 玉 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=26  △3三桂(21) まで

また、少し戻った局面で、4六歩の瞬間は3三桂と受けたほうがよい。

後手積極策4五銀

後手の持駒:歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・v玉v金 ・ ・v角 ・|二
|v歩v金v桂v銀 ・ ・ ・v歩v歩|三
| ・ ・v歩v歩 ・v歩 ・ ・ ・|四
| ・v歩 ・ ・ 歩v銀v歩 ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 歩 銀 ・ ・ ・ ・|六
| ・ 歩 ・ ・ ・ 歩 歩 歩 歩|七
| ・ ・ 飛 ・ 金 ・ 銀 玉 ・|八
| 香 桂 ・ ・ 角 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=38  △4五銀(54) まで

199ページからの局面。かなり強引に右玉側が攻めたパターン。先手としても嫌味はあるが、やはりこれも先手有利の局面。右玉側も選ばないほうがよい。というか、このような局面になることはあるのだろうか? ちょっと疑問。

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v飛v金v玉v金 ・ ・v角 ・|二
|v歩 ・v桂v銀v歩v銀 ・v歩v歩|三
| ・ ・v歩v歩 ・v歩 ・ ・ ・|四
| ・v歩 ・ ・ 歩 ・v歩 ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 銀 ・ ・ ・ ・|六
| ・ 歩 角 歩 ・ 歩 歩 歩 歩|七
| ・ ・ 飛 ・ 金 ・ 銀 玉 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=30  △3五歩(34) まで

途中、3五歩と突いており3六歩を防ぐ意味はありそうだが、やはりこの手はない。
右玉側としては3四歩に変えて、1四歩から1三角を急ぎたいところだ。

糸谷流右玉対策になっているのか?

結論としては、熟練した糸谷流右玉の使い手には通用しないと思われる。本書は振り飛車にとって都合のよい手が多いし、右玉側の反撃例もそれほど見ない手順なので、実戦で出現する可能性は低い。

7筋に飛車を振り直す手順は有力ではあるが。

もちろん、振り飛車 vs 糸谷流右玉で完全に糸谷流右玉が優位ということもなく、有力な対策も多数あるのは事実(右玉党なので教えないけど!)。
が、本書で紹介している対策であれば、糸谷流右玉側もそれほど怖くないだろう。

一応であるが、これらはすべて右玉NOWとしての意見である。
本書を読んで「糸谷流右玉にバリバリ勝てるようになりました」という人もいても全然おかしくないのでご了承いただきたい。

タイトルとURLをコピーしました