角交換型右玉と矢倉の対局で頻出するのが、矢倉側が4筋の位を取り、4六角と設置する作戦だ。
以下がテーマ図となる。
右玉視点から見て、この局面はどうなのか? 検討していきたい。
まずは、Godwhale5.0.5/QQRでの検討。
結果は互角。右玉側の候補手は6一玉。
実際にコンピュータ同士で対局してみるとどうか。
1手10秒で20戦させたところ、右玉側から見て11勝7敗2千日手。これはそう悪くはないかもしれない。
しかし、右玉側から仕掛ける順はなさそうで、先手が自重すれば千日手となるだろう。
右玉側の有力手は、6一玉と玉を戦場から遠ざける手、5二金の手待ち、4二金から右玉から見て左金を玉に寄せて固めるというのがありそうだ。
右玉党として気になるのは、4四歩から四筋の歩を交換しつつ、銀を守りに参加させる手。
ここで、矢倉側が同歩なら、同銀で悪くない。
しかし、同銀とはせず、2四歩と仕掛けたり、6二金と待たれる。
実戦例としては、4四歩にたいして、2四歩、同歩、6八金、4五歩、同桂、4四銀、2四飛。
あれ? これって飛車を捕獲する右玉の罠で、1三角打で一本取ったんじゃないの? と思うかもしれないが、桂馬が跳ね、4四銀で浮いている局面では悪手。
3四飛が金に当たってしまうため、暴れられて収取が付かなくなる。
上図の最善手は3三桂で、これならコンピュータソフト的に互角。
しかし、矢倉側は固く、あまり指したくない局面かもしれない。
以上、矢倉4六角に対する現時点での結論は、右玉から仕掛ける順はなく、千日手模様。
どうしても仕掛けたいなら4四歩だが、3三桂と跳ねた後の研究は必要そうだ。